2023/01/25 腸内フローラと膣内フローラとの関係は?それぞれの環境を整える方法やメリットを解説

腸内にはたくさんの常在菌がいて、その数はなんと約1,000種100兆個。さまざまな細菌がバランスを取りながら腸内環境を整えています。多種多様な細菌が密集している様子がお花畑(=フローラ)のようであることから、腸内フローラと呼ばれています。

そして、私たち女性の膣内にも膣内フローラが存在していて、実は腸内フローラと密接に関係があることや、膣内フローラを整えるメリットがあることも分かってきています。

今回は、腸内フローラと膣内フローラの関係性や、それぞれの環境を整える方法、メリットを解説します。

膣内フローラとは

女性の膣内にはさまざまな常在菌がいて、腸内と同じように膣内フローラを形成しています。主に、ラクトバチルス属という善玉菌の乳酸菌が働いていて、膣内を酸性にし、膣内の環境を清潔に保ってくれます。


腸内フローラの働き

膣内フローラにより膣内が酸性に保たれていることで、悪玉菌の増殖を防ぎ、性感染症の予防や子宮頸がん予防にも期待できることが分かっています。また、膣内の善玉菌が豊富な環境にあるほど、妊娠率や妊娠継続率、出産率が向上することが研究にて明らかになりました。

このように、膣内フローラは女性の健康に大きく関わっていて、正常に働くことで女性ならではのさまざまなトラブルから守ってくれることが期待できます。

膣内フローラが乱れるとどうなる?

膣内フローラが乱れて膣内で悪玉菌が増殖すると、雑菌が繁殖しやすくなります。すると、おりものが増えたり、デリケートゾーンにかゆみを感じたり、おりもののニオイが気になったりと、さまざまな不快症状が起きることも。

自然流産や早産など、妊娠に対しての悪影響があることも分かっています。 妊活中で妊娠を望んでいる人も、妊娠していてもしていなくても、女性が日々健康に過ごすためには膣内フローラをしっかり整えていくことが大切です。
また、自分の膣内フローラ環境を確認したい場合は、婦人科で検査もできます。

腸内フローラと膣内フローラの関係性は?

腸内、膣内ともに、さまざまな常在菌によって支えられていることが分かりました。さらに、腸内フローラと膣内フローラは個々で働いているだけではなく、腸の状態が膣内の細菌に影響を与えることが分かっています。

腸の出口と膣の入口は近いため、お互いの常在菌は行き来し合っていて、腸内に善玉菌が優勢になると、膣内の善玉菌も優勢になることが期待できます。つまり、腸内フローラを整えれば、膣内フローラも整えられるのです。

腸内フローラを整えるには

腸内フローラを整えるには、いわゆる「腸活」を行いましょう。大切なのは、腸内の善玉菌を増やすことで、食べ物から摂取できます。積極的に摂取したいのは、発酵食品。納豆や味噌、ヨーグルト、キムチ、甘酒などがおすすめです。

また、善玉菌のエサとなる食物繊維オリゴ糖も一緒に摂取するのが良いと言われています。海藻やきのこ類、野菜であればごぼうなど繊維質の多いものを選びましょう。

食生活を整えるだけではなく、ストレスを溜めたままにしない、しっかりと睡眠を取るなど自律神経の乱れを整えることも大切です。

膣内フローラを整えるには

腸内フローラを整えると同時に、膣内にも悪玉菌が増殖しないよう膣内フローラを整えましょう。
最も気をつけたいのは、デリケートゾーンの洗い過ぎです。デリケートゾーンを洗いすぎてしまうと、膣内の常在菌を洗い流してしまいます。清潔にすることは大事ですが、膣のバリア機能を奪わないように気をつけましょう。

また、デリケートゾーンの刺激もよくないので、通気性の良い下着を身につけたり、下着で締め付けないようにしたり、おりものシートもつけるならこまめに替えるようにしましょう。デリケートゾーンを清潔に、刺激を与えずに保ってあげたいですね。

腸内フローラと膣内フローラを整えて健康的な日常を

腸内フローラと膣内フローラは密接に関係しています。健康のために腸活をしているという人は、膣内の環境もしっかりと整えられているのです。

逆に、おりものの悩みや不快症状があるという場合は、膣内フローラが乱れているだけではなく、腸内フローラも乱れている可能性があります。

どちらも環境を整えることがとても大切。食事バランスや自律神経の乱れを見直し、また、デリケートゾーンも優しく大切に扱ってあげることが、女性が健康的な日常を過ごすことに繋がりそうです。