2024/07/11 おりものは健康のバロメーター!毎日チェックして変化に気づこう

「おりものはベタベタして困る」「おりもののせいで下着が汚れて大変…」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。マイナスイメージをもたれやすいおりものですが、実は女性の健康状態を映し出すバロメーターとしての一面もあります。

今回は、生理周期や年齢によるおりものの変化などについてご紹介します。注意すべきおりものの異常についても解説しますので、おりものの状態をチェックする際の参考にしてみてください。

おりものとは?

おりものとは、子宮や膣、汗腺からの分泌物が混じり合った粘性のある液体のことです。おりものには、以下のような役割があります。

自浄作用
受精のサポート

おりものは細菌が膣を通して体内に入ってくるのを防ぎ、膣の中を清潔に保つ自浄作用を備えています。また排卵期には、精子がスムーズに子宮に到達できるようサポートする役割も担うのです。

生理周期によるおりものの変化

おりものは女性ホルモンの"エストロゲン(卵胞ホルモン)"と大きくかかわっているため、生理周期によっておりものの量や状態は変化します。
ここからは、生理周期によるおりものの変化についてご紹介します。

卵胞期

生理が終わったばかりの卵胞期前半のおりものは、サラサラとしていて量も少ない傾向にあります。おりものと経血が混ざり、茶色っぽい色になることも。卵胞期後半になるにつれ、おりものの量が増加していきます。

排卵期

排卵期には、おりものの量が多くなります。色は透明で、とろみがあるのが特徴です。排卵日の近くで分泌されるおりものには、精子が膣から子宮にスムーズに到達できるよう、受精をサポートする役割があります。

黄体期

黄体期には、おりものの量が次第に減少していきます。粘り気が強くて白く濁った状態になり、下着についたら酸化して黄色っぽく目立つのが特徴です。

生理直前

生理直前になると、おりものの量が少し増えてきます。この時期のおりものは白く濁っていて粘り気が強く、ニオイを感じやすいのが特徴です。生理が近づくと、少量の経血が混ざって茶色やピンク色のおりものが出てくることもあります。

年齢によるおりものの変化

おりものの状態は、年齢を重ねるごとに変化していきます。ここからは、年齢によるおりものの変化についてご紹介します。

初潮~10代

初潮を迎える時期から、エストロゲンの分泌が高まります。それに伴い、おりものの量がだんだん増加していきます。

20代~30代前半

20代~30代前半は、エストロゲンの分泌がピークを迎える時期です。生理周期やおりもの周期が安定しやすく、おりものの量も最も多くなります。

30代後半

30代後半になると、エストロゲンの分泌が少しずつ減り始めます。しかし、おりものの変化をはっきり自覚するほどではありません。

40代~

40代は、エストロゲンの分泌が減少していく時期です。とくに40代後半になると、エストロゲンの分泌が一気に減少し、生理周期が不規則になるなど、体にもさまざまな変化が起こるようになります。おりものの量も減少し、周期も不規則になるのが特徴です。

閉経後

閉経を迎えると、エストロゲンはほとんど分泌されなくなります。それに伴い、おりものの量も一気に減少するのです。また膣内の善玉菌が減ることによって自浄作用が機能しにくくなり、乾燥しやすくなります。

注意すべきおりものの異常とは

体の変化にいち早く気づくためには、毎日おりもののニオイや色、状態をチェックすることが大切です。ここからは、注意すべきおりものの異常についてご紹介します。

量が多くサラサラしている

排卵期以外にもサラサラしたおりものが大量に出る場合、クラミジア感染などの可能性があります。また胃腸が弱って体がむくんでいるときにも、サラサラなおりものが多く出ることがあるので注意が必要です。

ドロッと粘り気がある

黄体期や生理直前以外でドロッとした黄緑色や黄色の膿のようなおりものが出たり、外陰部がムズムズしたりする場合は、トリコモナス腟炎などの感染症にかかっている恐れがあります。また体の免疫力が低下して膣内に雑菌が増殖している場合も、黄色でネバネバとしたおりものが出ることがあります。

酒粕・ヨーグルト状でムズムズする

酒粕やヨーグルトのようなおりものがボロボロと出てきて、膣内部や外陰部がムズムズする場合は、カンジダ膣炎の可能性が高いです。ちょっとした体調不良の際に発症することもあります。

おりものの変化を毎日チェックしよう

今回は、生理周期や年齢によるおりものの変化などについてご紹介しました。おりものの量や状態は、健康状態を判断する際のバロメーターになります。注意すべき異常がないか毎日チェックし、体の変化にいち早く気づけるようにしましょう。
そして、気になる点があれば、すぐに病院を受診することで、早期発見、早期治療につながり、健康で快適な生活ができるのではないでしょうか。