冷え対策や温活に積極的に摂取したいと言われているショウガ。手軽に手に入り、さまざまな食材との相性も良く、普段から好んで摂取している人もいらっしゃるかもしれません。今回は、ショウガが冷えへどのような効果があるのかや、生姜(ショウキョウ)と乾姜(カンキョウ)との違い。さらにそれぞれの効果や家庭でのおすすめの取り入れ方についてお話します。
ショウガが冷えに良いと言われる理由
ショウガを食べるとピリッとした辛味を感じますよね。その辛味の正体は、ジンゲロールやショウガオールなどのショウガの主成分によるもの。これらの成分には血行を良くして体を温める効果があるといわれていることから、ショウガは冷えに良いと言われるようになったのです。しかし、厳密にいうと、ジンゲロールとショウガオールそれぞれの成分は作用が違っていて、体を温めてくれるかどうかも成分によって変わってきます。
生姜(ショウキョウ)と乾姜(カンキョウ)の違いって?
生姜(ショウキョウ)、乾姜(カンキョウ)共にどちらも体を温める作用はあるものの、ショウガオールが多く含まれる乾姜(カンキョウ)の方が、より冷えには効果的であることが分かります。詳しくみていきましょう。
生姜(ショウキョウ)とは
ショウガは食用としてさまざまな料理に利用されていますが、漢方の世界では古くから生薬として活用されています。生薬としてのショウガは、生のまま乾燥させたものを生姜(ショウキョウ)、蒸してから乾燥させたものを乾姜(カンキョウ)と言い、作用が変わるため、目的によって使い分けられているのが特徴です。
生姜(ショウキョウ)と乾姜(カンキョウ)では主成分にも違いがあります。
生姜(ショウキョウ)の主成分であるジンゲロールは、胃の機能を高める健胃作用、吐き気を抑える作用や、鎮痛、下痢止めとしての作用が期待できます。
生姜(ショウキョウ)にも血流を良くする効果はありますが短期的です。発汗を促し体の深部の熱を逃してしまうので、逆に体を冷やしてしまう可能性もあります。
乾姜(カンキョウ)とは
一方、蒸してから乾燥させた乾姜(カンキョウ)。加熱することでジンゲロールがショウガオールに変化し、主に体を温める作用として力を発揮してくれます。胃腸を刺激し、体を深部から温めるので、胃腸の冷えからくる腹痛や下痢などに効果的といわれています。体の冷えで悩む人への漢方薬にもよく配合されている成分です。
生姜(ショウキョウ)・乾姜(カンキョウ)それぞれの取り入れ方
生姜(ショウキョウ)、乾姜(カンキョウ)は生薬なので、それぞれ家庭で取り入れるにはシンプルに生の生姜を食べるか、加熱した生姜を食べるかで考えるのがよいでしょう。ここからは、それぞれ具体的にどのような食べ方をすると良いのかをご紹介します。
生姜(ショウキョウ)で胃腸をスッキリと
生の生姜にはジンゲロールが多いので、温める作用よりも胃腸を整える作用が働きます。胃腸が弱っていると感じるとき、少し吐き気を感じるときなどは、生の生姜がおすすめです。解毒作用や殺菌作用も期待できるので、お弁当のおかずに入れるのもよいですね。普段の食事であれば、冷奴に乗せたり、麺類の上に乗せたり……。肉や魚に添えてもよいですね。
乾姜(カンキョウ)で体を温めて
一方、乾姜(カンキョウ)には体を温める作用がありますので、家庭では、乾姜(カンキョウ)=加熱したショウガと考えてみましょう。普段の食事であれば、お味噌汁に入れて一煮立ちさせるのも良いです。
朝、白湯を飲むときに、白湯と一緒に加熱してから飲むと、白湯との相乗効果でさらに体が温まります。甘酒に入れて温めて飲むのもおすすめです。うどんやそばに入れる場合も、一緒に煮込んでOK。みんなで鍋を囲むなら、ただ添えるよりも、鍋に入れて一緒に加熱してしまいましょう。いずれも、ただすりおろしたショウガを入れるのではなく、一緒に加熱して火を入れることで、ジンゲロールがショウガオールに変化し、体を温めてくれます。
冷えの季節到来!ショウガで温活
だんだんと風が冷たく感じられ、本格的な秋の訪れ、冬の足音を感じつつあります。
日頃、お風呂にゆっくり浸かるなど外側からのアプローチも良いですが、ぜひ取り入れたいのが内側からのアプローチ。ショウガは手軽に手に入り、どんな料理にも相性が良いので、毎日でも摂取したいですね。ただ、体を温める作用があるのは、加熱したショウガです。
温かい飲み物に入れて飲むときも、すりおろしたショウガをそのまま入れるのではなく、一度火にかけて加熱するのを忘れないようにしましょう。
毎日の食事にショウガを取り入れて、体の中からの温活を意識しましょう。