2024/09/18 ストレスと女性ホルモンの関係は?ホルモンバランスの乱れを防ぐには

仕事にプライベートにと、忙しい毎日の中でストレスを抱えている方もいらっしゃることでしょう。ストレスは、女性ホルモンのバランスにも大きく影響します。
今回は、ストレスと女性ホルモンの関係について解説していきます。最近、ストレスを感じている方、ホルモンバランスが気になる方は、ぜひ、本記事を最後までお読みください。

ストレスが女性ホルモンのバランスに与える影響

まず、女性ホルモンの正常なバランスや、ストレスがホルモンバランスに影響を与える仕組みについてみていきましょう。

月経周期と女性ホルモンのバランス

月経は、卵胞期、排卵期、黄体期、月経期の4つのフェーズを25日~38日の周期で繰り返しています。この月経周期の各フェーズによって、ホルモンバランスが変化しています。

女性ホルモンとして知られるエストロゲンとプロゲステロンは、脳からの指令によって分泌されています。
卵胞期に、視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン(GnRH)が、下垂体からの卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌を促します。
卵胞刺激ホルモンの働きによって卵胞が形成されると、卵胞からエストロゲンが分泌されます。すると、卵胞の中の卵子が成熟していき、子宮内膜を厚くしていきます。

排卵期になると、黄体形成ホルモンが作用し、排卵が起こります。排卵後、卵胞は黄体に変化し、黄体期になると、プロゲステロンの分泌が活発になります。妊娠に備え、栄養や水分をため込み、卵子が着床しやすいように準備をします。

妊娠が成立しなければ、プロゲステロンの分泌も減少していき、子宮内膜が剥がれて排出される月経が起こります。
このように、月経周期にそって、ホルモンバランスの変化を繰り返しているのです。

ストレスがホルモンバランスにどう影響する?

通常、脳の視床下部により、女性ホルモンの分泌量を調整していますが、過度なストレスを感じると、視床下部からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)の分泌が促されます。
CRHは、食欲や睡眠を抑制する作用のほか、性腺刺激ホルモン(GnRH)の分泌も抑制します。

性腺刺激ホルモンは、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌を促す役割をします。そして、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが、エストロゲンとプロゲステロンの分泌を促しています。

つまり、性腺刺激ホルモンの分泌が抑制されると、エストロゲンやプロゲステロンの分泌も抑制され、月経周期の乱れにつながるのです。
尚、ここでいうストレスは、精神的ストレスのほかに、過度なダイエットや睡眠不足など、肉体的なストレスも含みます。

女性ホルモンのバランスが乱れると起こる変化

ストレスにより、女性ホルモンのバランスが乱れると、体やメンタルにも影響が出やすくなります。具体的にどのような変化が起こりうるのでしょうか。順に詳しくみていきましょう。

月経周期への影響

先にもお伝えしましたとおり、ストレスを感じるとCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン) の作用により、エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンの分泌が抑制されます。
ホルモンの分泌が正常に行われないと、次のような症状が出ることがあります。

  • 無月経
  • 月経不順(過少月経・過多月経)
  • 不妊


月経不順のようにホルモンバランスが乱れた状態では、排卵が正常に起きていないこともあり、妊娠しにくい体の状態になっている可能性もあります。

自律神経への影響

ストレスの影響で、視床下部のホルモン分泌を促す機能が抑制されると、自律神経にも影響がでますので、心身の調整機能が乱れます。
次のような不調が起こることがあります。

  • 頭痛、肩こり、動悸、腹痛、便秘、だるさ、眠気などの身体的症状
  • イライラ、不安感、落ち込み、うつ症状などメンタルへの影響


また、月経前に起こるPMS(月経前症候群)もストレスを受けると症状が出やすくなる可能性があります。

ストレスをためないようにするには

ここまでストレスがホルモンバランスに与える影響についてお伝えしてきました。ホルモンバランスを整えるには、ストレスをためないようにすることが重要です。 次に、ストレスをためないようにするためのポイントについて、お伝えしていきます。

食事

バランスのとれた食生活は、健康な心身を整えるための基本です。特にタンパク質やビタミンC、ビタミンB群、ビタミンEなどを積極的に摂りましょう。

  • タンパク質…肉、魚介類、卵、大豆製品など
  • ビタミンC…パプリカ、キウイ、みかん、ブロッコリー、キャベツ、じゃがいもなど
  • ビタミンB群…豚肉、レバー、あさり、牛乳、ほうれん草など
  • ビタミンE…ナッツ類、うなぎ、アボカドなど


過度なダイエットは、体にとってストレスになりますので注意しましょう。急激な体重減少や栄養不足になると、脳が体の危機と判断して、生命の維持に直接関係ある機能を優先し、月経をストップさせることがあります。

睡眠

睡眠不足になると、視床下部の機能や自律神経にも乱れが生じやすくなります。ホルモン分泌を促す視床下部の機能に乱れが生じれば、それにともない、ホルモンバランスも乱れやすくなります。
それに、自律神経の乱れは、心身のさまざまな不調を招きます。睡眠時間の確保や睡眠の質を維持することが非常に重要です。

運動

適度な運動は血行をよくし、代謝や自律神経を整えるといわれています。ですので、女性ホルモンのバランスを整えることにもつながります。

ランニングやウォーキング、ヨガのように、リラックスしながら、無理なく続けられる運動を生活習慣に取り入れるとよいでしょう。程よい運動は、寝つきのよさや質の良い睡眠にもつながります。
ただし、負荷が強すぎる運動は無理なダイエット同様、月経がとまる原因にもなりますので注意しましょう。

女性の体はストレスに敏感!上手にストレスケアをしよう

本記事では、ストレスが女性ホルモンのバランスに与える影響について解説しました。
女性ホルモンの分泌を促す脳が、ストレスの影響を受けると、月経周期の乱れなど、体に異変が起こります。体からのサインを見逃さないように変化に注目しながら、上手にストレスケアをしていきましょう。