2023/05/03 フラーレンってなに?年齢に負けない若々しい肌を目指す抗酸化作用のチカラを解説

シミやシワ、たるみの予防など、さまざまな肌悩みにアプローチできる有効成分として、医療分野や美容クリニックをはじめ、今日では多くの化粧品に配合されているフラーレン。なぜエイジングケアにおすすめされるのか、その機能や効能、そして効果的な取り入れ方について解説していきます。

 

フラーレンの効果効能とは?

フラーレンの特徴といえば、肌が老化する原因のひとつ活性酸素を除去・無害化する「抗酸化作用」という働き。この抗酸化作用によって、シミやシワ、たるみ、毛穴の開きといった肌の悩みに効果的なアプローチができると考えられています。

さらに嬉しいことに、乾燥肌や敏感肌、赤ら顔、ニキビといった肌のバリア機能が低下した肌状態の回復を応援したり、老化の進行を抑制する働きがあるのもフラーレンの強み。アンチエイジングを目的とした幅広い肌のお手入れにおすすめの成分と認識されています。

そんなフラーレンを語る上で欠かせないのが、活性酸素の存在。そもそも活性酸素とは、呼吸をすることで取り込まれた酸素の一部が活性化され、体内でさまざまな成分と反応して正常な細胞を攻撃してしまうというもの。
活性酸素が発生する主な原因には、紫外線や大気汚染、ストレス、食品添加物、食べ過ぎ、たばこ、薬剤、電磁波(スマホ、電子レンジなど)、過度な運動などがあります。この活性酸素を無害化してくれるのが、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼと呼ばれる酵素となるのですが、歳を重ねると酵素を作る力が弱くなり、肌の老化へとつながります。
活性酸素を無害化してくれるフラーレンの抗酸化作用は、今の肌状態に対してこれ以上シミを増やさない、シミを濃くしない、シワを深くしないという意味でのアンチエイジング効果が期待できると考えられています。

 

フラーレンが美容業界で注目される理由3つ

炭素同素体のひとつとして知られるフラーレンは、1995年に発見されたサッカーボール状の球状分子です。1996年にはフラーレンを発見したハロルド・クロトー、リチャード・スモーリー、ロバート・カールがノーベル化学賞を受賞するなど世界から注目を集めましたが、なぜ美容業界に浸透したのか、その理由についてまとめてみました。

 

1. 抗酸化作用はビタミンCの約172倍!

フラーレンといえば抗酸化作用という認識が世間一般で根付いていますが、わかりやすい比較対象としてビタミンCの約172倍といわれています。この172倍とされる背景には、抗酸化能の評価方法のひとつβカロチン退色法という試験結果が関与しており、ビタミンCの抗酸化力と比較した結果が172倍と確認されているそうです。とりわけ紫外線によって発生する活性酸素に対して、フラーレンは高い抗酸化力を発揮することも検証結果から分かっています。

2.長時間の抗酸化能を持続!

フラーレンには高い抗酸化作用に加え、その効果に持続性があると過去の研究から実証されています。活性酸素を取り込む、または活性酸素を分解するという独自のメカニズムを持ち、その濃度が高くなるほどビタミンC誘導体やビタミンEよりも抗酸化作用の持続性が高いことが試験結果より確認できています。これまでの美容成分とは違うアプローチで若々しい肌へと導いてくれる効果が期待できるというわけです。

3.副作用なし!安心して使える成分

現時点では、フラーレンは人体に対して副作用や発ガン性は「なし」と考えられています。医薬部外品の申請に必要な9項目の試験を全部クリアする安全基準を持つなど、安心して使える美容成分でもあります。

フラーレンの効果的な取り入れ方

アンチエイジングを目指したい方におすすめのフラーレンは、大きく分けて4種類あります。それぞれの特徴を理解した上で選んでみましょう。

 

リポフラーレン(油溶性フラーレン)

油溶性フラーレンとして知られるL.F.(Lipo Fullerenme)は、植物性スクワランにフラーレンを溶かしたもの。リッチなテクスチャーでオリーブオイルやホホバ油、ミネラルオイルなどオイル系と相性が良く、クリームや美容オイルなどに配合されることが多いです。植物性のスクワランのみが添加されているため、自然派スキンケアを好む方におすすめです。

ラジカルスポンジ(水溶性フラーレン)

水溶性フラーレンとして知られるR.S.(Radical Sponge)は、水溶性高分子のPVPや水などの添加物を使用してフラーレンを水に溶けやすくしたという特徴を持ちます。化粧品をはじめとする多くの製品に配合できる万能型のフラーレンであり、高い抗酸化作用と持続性があり、肌への刺激もやさしいとされています。

モイストフラーレン

M.F.(Moist Fullerene)は、美容液やクリーム、乳液など主にスキンケアに用いられるフラーレン。皮膚の角層深部に発生する活性酸素に対して抗酸化力を発揮し、保湿力と浸透力の効果が長く続くとされています。シミやシワの予防におすすめです。

ヴェールフラーレン

V.F.(Veil Fullerene)は、ファンデーションなどメイクアイテムに配合されるパウダータイプのフラーレン。肌表面に発生する活性酸素に対して抗酸化作用があります。美容成分を含んだメイクアイテムなど、美意識の高い方におすすめです。

副作用なしで効果的なアンチエイジングを目指せるフラーレンですが、濃度が高ければ良い、たくさん使えばいいというわけではありません。肌にベストな推奨配合濃度がきちんと配合されている目印として、パッケージに「認定マーク」が入っているかをチェックしするのも、ひとつの目安になりそう。
歳を重ねても、自分らしく元気な肌でライフスタイルを充実させたいという方、ぜひフラーレンの抗酸化作用パワーを体感してはいかがでしょうか。