2023/02/14 不妊治療が保険適用!条件や費用などの基礎知識を解説

不妊治療が2022年4月より保険適用となりました。ただ、何が保険適用になるのか、どの程度安くなるのか、活用できる条件はあるのか...分からないことばかり。
ここでは、不妊治療の保険適用についての情報をまとめました。不妊治療を保険適用で始めようとご検討中の方は、参考にしてみてください。

 

不妊治療の保険適用についての概要

不妊治療が保険適用となった背景

不妊治療保険適用は2020年の少子化社会対策大綱の1つに組み込まれた制度です。
不妊治療の中でも特に、体外受精や顕微授精はかなりの費用が掛かるため、この費用が負担となり、子どもを諦めてしまう家庭も少なくありませんでした。
しかし、少子化対策をしたいと考えている日本においては、子どもを諦められてしまうのはあまり望ましくない結果となります。このため、不妊治療に対する経済的な負担軽減を目的として2022年4月より、不妊治療の保険適用がスタートしました。

特定不妊治療費助成事業とは何が違うの?

これまでも不妊治療に対して経済的な負担を軽減しようと、政府では特定不妊治療助成事業を実施していました。
しかし、特定不妊治療費助成事業は体外受精・顕微授精・男性に対する治療のみが対象となり、所得や年齢、女性の治療回数なども決まっていました。

さらに、地域によっては一部治療において支援制度を受けられなかったり、仮に受けられたとしても一旦自費にて建て替えなければならなかったりと、支援はあるとはいえ経済的な負担は大きいものでした。

しかし、不妊治療が保険適用となったことで、さまざまな方が経済的な負担なく不妊治療を受けられるようになったのです。

不妊治療が保険適用となる条件や治療内容は?

不妊治療が保険適用となりましたが、この保険適用には条件があります。
また、不妊治療の保険適用となったことで、これまでの特定不妊治療費助成事業と比較して何が違うのかを検証してみました。

 

保険適用となる不妊治療は?

不妊治療のなかで保険適用となるのは、以下の治療です。

<これまでも保険適用だった治療>
・男性側の不妊の原因となっている病気の治療費
・女性側の不妊の原因となっている病気の治療費

<新たに保険適用となった不妊治療>
・タイミング法
・人工授精
・体外受精
・受精卵を着床しやすくするためのアシストハッチング
・顕微授精
・男性の不妊治療の原因となっている病気の手術費

第三者の精子・卵子等を用いた生殖補助医療や、生殖医療ガイドラインに記載されている推奨度が低いものについては、保険適用の対象外です。

不妊治療を保険適用とするための条件は?

不妊治療はすべての女性が保険適用となる治療ではなく、不妊治療を保険適用とするためには不妊治療開始時の年齢が43歳未満でなければなりません。
出産する年齢が高齢になればなるほど、不妊治療をしたとしても、出産できる可能性が低くなるため、年齢に対しては制限される傾向に。

また、保険が適用される回数も決まっており、女性が40歳未満の場合は子ども1人に対して最大6回までとなり、40歳〜43歳未満の場合は最大3回までとなっています。

不妊治療を保険適用でするメリットは?

不妊治療を保険適用でするとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、不妊治療を保険適用でするメリットを3つご紹介します。

 

費用負担が軽減できる

不妊治療が保険適用となったことで最もメリットなのは、不妊治療への費用負担が軽減できるという点ではないでしょうか。
例えば、仮に不妊治療に100万円必要だとします。
これまでの制度であった特定不妊治療費助成事業の場合、自己負担が70万円になるのに対して、新たな保険適用となったことによって、自己負担額は30万円で済むことになるのです。
これまで、不妊治療の最たる悩みは「費用」だとも言われてたので、この費用負担が軽減されたことは最大のメリットといえそうです。

スケジュールが立てやすい

これまで、不妊治療を諦めてしまう原因として、高額な費用負担の他に、治療の見通しが立たないことを原因としている方も多かったようです。

健康保険を適用させるためには、「いつ・どんなときに・どんな治療をする」という治療の基本的なスケジュールや方向性をある程度定める必要があります。これによって、どのように治療をしていくのかという先が見通しやすくなったとも言えそうです。

費用面やスケジュール面からも不妊治療がしやすくなり、前向きに検討できるようになったのもメリットの1つといえそうです。

周囲の理解が得られやすい

自費診療となるとなかなか理解が得られにくいものですが、同じ治療内容であっても、保険適用となると、国が認めているということもあり意外と周りからの理解が得られやすくなります。
特に、保険適用となったことで会社からの理解が得られやすくなり、これまでよりも、早退や欠勤などの扱いが柔和になることも考えられます。社会からの理解が得られるようになると、安心して治療に取り組めそうです。

望む治療を受けられるよう...

不妊治療は、保険適用となってもある程度の条件があります。不妊治療を保険適用で行おうと考えている方は、まずこの条件を確認してから検討されてみてください。

費用面以外にもたくさんのメリットがありそうな不妊治療の保険適用。全ての方が望む治療を受けられることを願っています。