3月8日は国際女性デーです。国際女性デーとは、女性の生き方を考える日です。
改めて、女性のエンパワーメントとジェンダー平等社会の実現を目指す国際女性デーの成り立ちや目的、個人でできる取り組みにどんなものがあるのか考えてみましょう。
国際女性デーとは
国際女性デーは、国や民族、言語、政治、経済などの壁に関係なく、女性が達成してきた功績を称え、女性のエンパワーメントとジェンダー平等社会の実現を考える日として、世界各地でさまざまなイベントが行われます。
国連が定める2023年の国際女性デーのテーマはDigitALL: Innovation and technology for gender equality(ジェンダー平等のためのイノベーションとテクノロジー)。
革新的なテクノロジーとデジタル教育を推進する女性と少女を称え、デジタル革命によるジェンダー不平等への探求、デジタル空間における女性や少女の権利保護など、ジェンダー平等を追求するテクノロジーとデジタル革命の可能性について探ります。
国際女性デーの歴史
国際女性デーの歴史は100年以上前の1900年初頭まで遡ります。
初めてアメリカで「女性の日」が制定されたのは、1909年2月28日。前年にニューヨークで縫製労働者のストライキが行われ、女性が労働条件の改善を訴えたことを記念し、この日が指定されました。
その後、1910年には17カ国100人以上の女性が参加したコペンハーゲンでの会合により、女性の権利を求める運動に敬意を表し、女性の参政権支援を盛り上げるため、国際的な「女性の日」を制定。
翌年の1911年にはオーストリア、デンマーク、ドイツ、スイスで初の「国際女性の日」記念行事が行われ、女性の選挙権と公職に就く権利、女性が働く権利、職業訓練を受ける権利、職場で差別されない権利などを要求しました。
その後、「国際婦人年」にあたる1975年、国連により3月8日が「国際女性デー」として記念されました。
「国際女性デー」は別名「ミモザの日」
3月8日の「国際女性デー」は、別名「ミモザの日」とも呼ばれています。
発端はイタリア。国際女性デーに、男性が女性に感謝の気持ちを込めてミモザを贈ったことから「ミモザの日」として呼ばれるようになりました。
今では、ミモザの花は「国際女性デー」のシンボルフラワーとして親しまれています。
ジェンダー平等はSDGsの1つであり重要な取組課題
何かと話題になる「SDGs」。2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標」のことを言います。
「SDGs」は全ての国が達成すべき目標であり、その目標の1つに「ジェンダー平等を実現しよう」というものがあります。貧困問題の解決や環境保護と同じく、私たちが取り組むべき課題として認識されています。
日本ではダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいる企業も多く、女性の社会進出も進んでいます。それでも、ジェンダー不平等を感じる場面があるのではないでしょうか。
例えば2017年のユーキャン新語・流行語大賞では、「ワンオペ育児」というワードがノミネートされました。
これは、1人で育児や家事を全てこなすことであり、日本ではほぼ女性がこれを担っていることの表れとも言えます。
社会進出が進んだからこそ、仕事もこなし、家に帰れば家事、育児を行う。そのような認識がまだ根付いており、深刻なジェンダー不平等へと繋がっていく懸念があります。
このような環境を是正するためには、女性の社会での活躍の後押しはもちろん、男性が家事、育児をしやすい環境づくりも求められます。
「国際女性デー」に私たちが個人で活動できること
「国際女性デー」では多くの企業や業界がさまざまな取り組みをしています。他にもイベントなども多数開催されています。それらの取り組みに賛同、参加することも1つの方法です。どんな取り組みあるいはイベントなのかを覗いてみましょう。
コスメの購入が女性の権利向上につながる!
美容業界は女性の権利向上、ジェンダー平等へ取り組んでいる企業も多く、コスメの購入金額の一部が寄付されるなど、女性へのさまざまな支援プログラムが実施されています。
自分の想いと合致する企業があれば、購入を通じて取り組みへ賛同することもできますね。
イベントやセミナーへ参加する
「国際女性デー」当日は日本各地でもいろいろなイベントが企画されています。そのようなイベントに足を運ぶのも個人でできることです。
国際女性デーに興味や関心をもつ
興味はあってもイベントやセミナーへ参加するのは難しいという方でも、関心をもつことが大切です。
「国際女性デー」について知り、女性のエンパワーメントについて考えることが、社会が変わるための大きな第一歩になるのではないでしょうか。
自宅にミモザの花を飾ったり、黄色いアイテムを身に付けたりして、女性の生き方に目を向けてみても良いですね。
女性の生理について考えたり、フェムテックを日常生活に取り入れたりすることも、女性の生きやすさを探求する立派な「国際女性デー」に向けた取り組みの1つ。
女性ならではの悩みをどう解決するのか、それが女性の活躍にどうつながるのかを考えながら自分の身体と向き合う1日にしても良いかもしれません。
国際女性デーに関心を寄せて。ジェンダー平等な社会の実現へ
世界経済フォーラムが発表した「ジェンダー・ギャップ指数2022」において、日本は146カ国中116位。政治分野では下から8番目と、G7の先進7カ国の中では最下位に。経済分野では121位と、男女間の収入格差や管理職の割合など、世界平均を下回っているのが現状です。
女性の社会での活躍が叫ばれているものの、家事、育児との両立、それに対する理解などがまだまだ乏しいと言える日本。
これからの社会のためにも、女性がどうすれば活躍できるのか、そしてどうすればウェルビーイングな生き方をできるのか、一人一人が「国際女性デー」に向けて関心を持っていくことが大切なのではないでしょうか。