2024/04/10 子宮頸がんってどんな病気?原因やワクチンについても解説

女性のヘルスケアには、ライフステージごとの体の変化やそれに伴う不調と対策について、正しく知ることが大切です。今回は、女性特有の疾患のひとつである子宮頸がんについて取り上げます。子宮頸がんの原因や検査、ワクチンについて解説しますので、これを機に正しい知識を備えましょう。

子宮頸がんとは

子宮にできるがんは、子宮頸がんと子宮体がんの2種類があります。子宮頸がんは子宮の入り口にできるがんであり、子宮体がんは子宮内膜にできるがんです。本記事では子宮頸がんについて取り上げていきます。

誰もが感染するウイルスが原因

子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスが原因で、子宮頸部とよばれる子宮の入口にあたる場所にできるがんです。


HPVは、主に性交渉によって感染し、女性の多くが一生に一度は感染するといわれている一般的なウイルスですので、女性なら誰でも子宮頸がんを発症する可能性があるともいえます。

HPVに感染したからといって、必ずしもがんになるわけではありません。HPVには200種ほど種類がありますが、そのうちの少なくとも15種類はがんになるリスクが高いことがわかっています。ほとんどの人ではウイルスが自然に消えますが、一部の人でがんになってしまうことがあるのです。ウイルスに感染してから、数年から数十年かけてがんに発展することがあります。

罹患年齢や患者数

子宮頸がんの患者数は妊娠・出産年齢の年代に多く、40代が発症のピークとなります。毎年10,000人以上の女性が新たに子宮頸がんと診断されています。近年では、20~30代で子宮頸がんになる前段階の上皮内がんを含めた子宮頸がんに罹患する人が増加傾向にあります。

また、30代までにがんの治療で子宮を失い、妊娠できなくなってしまう人が、年間で約1,000人います。 完全ながんになる前や上皮内がんの段階であれば​​、子宮の一部のみを切除し、子宮の温存が可能ですが、がんが進行すると、子宮を全て摘出する必要が出てくるのです。
早い段階で発見できれば、それだけ妊娠や出産の可能性を残せる確率が高くなります。

子宮頸がんの症状と予防方法は

子宮頸がんの症状と予防方法にはどのようなものがあるのでしょうか。順にみていきましょう。

子宮頸がんは初期段階で自覚症状が出にくい

子宮頸がんは、初期段階では自覚症状が出にくいため気づきにくく、検査で発覚することが多い病気です。症状が進むと不正出血やおりものの異常、性交時の出血などが出ることがありますので、気になる症状がある方は、なるべく早く病院を受診しましょう。

予防方法は

子宮頸がんは性交渉でウイルスに感染する主な原因です。また、外陰部や肛門など、コンドームでは防げないところにも潜むため、​​コンドームでは防ぎきれません。自覚症状が出にくい病気ですので、早期発見のためには、検査が重要です。検査では、子宮頸部の細胞を取って検査し、がんの前段階である前がん病変や、子宮頸がんがないかチェックします。

また、HPVウイルスの感染が原因ですので、ワクチン接種が予防につながります。ワクチン接種によって、子宮頸がんの原因の50~70%を防げるとされています。 子宮頸がんの予防には、ワクチン接種と定期検査の2段階の対策で備えるとよいでしょう。

子宮頸がんとワクチンについて

次に、ワクチンの効果や制度についてみていきましょう。

先進国の中でワクチン接種率が低い日本

WHO(世界保健機関)は、子宮頸がんの予防にワクチン接種を推奨しており、2020年11月時点で​​カナダ、イギリス、オーストラリアなどでは女の子の8割以上がワクチンを受けています。一方、日本はワクチン接種率が低く、子宮頸がんの罹患率も高く、2021年10月に発表されたWHOのレポートの中ではG7の中でワースト1位です。

それには、HPVワクチンが定期接種化された2013年に、接種部位以外の体の広い範囲で起こる疼痛等の副反応が一部で報告されたことから、日本では、一時期、ワクチンの積極的勧奨を控えていた背景があります。副反応については専門家の会議で、定期接種を中止するほどリスクが高いとは評価されなかったものの、それらの症例について十分に情報提供できていなかったため、適切な情報提供ができるまでの間は、積極的な勧奨を一時的に差し控えるべきとされました。
その後、安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、2022年4月より積極的勧奨が再開されました。

ワクチンの副反応

ワクチンの副反応として、ワクチンの接種を受けた部分の痛みや腫れ、赤みなどの症状が出ることがあります。
また、稀ではありますが、ワクチンの接種を受けた後に、アレルギー症状や神経系の症状など、重大な症状が起こることもあります。万が一、異変が起きた際にはすぐに医療機関を受診しましょう。

厚生労働省は、専門家の会議において、ワクチンによる副反応よりもワクチンの有効性が上回ることが認められたと公表しています。子宮頸がんの予防として、HPVワクチンを接種する意義は十分にあると考えてよいでしょう。

ワクチンの接種について

HPVのワクチンは、セクシャルデビュー(初めての性交渉)前に接種することが望ましいとされています。小学6年~高校1年に相当する女子は公費で無料接種ができます。セクシャルデビュー後であっても、ワクチンの有効性は期待できますので、可能な限り早く接種しましょう。

接種するワクチンやタイミングによって変動はありますが、2、3回のワクチン接種が必要です。
また、ワクチンを接種していても、定期的な検査を受けることが重要です。20歳以上の人は2年に1度の検査が推奨されています。

子宮頸がんの予防には定期検査とワクチン接種を

今回は、子宮頸がんの原因や予防方法について紹介しました。
子宮頸がんはワクチンの有効性が高く、検査での早期発見がしやすい病気でもありますので、過度に恐れる必要はありません。とはいえ、妊娠・出産の機会を奪う可能性もある病気ですので、不正出血やおりものの変化があれば注意してください。ワクチンと検査の二段階の予防で、しっかりと対策をしていきましょう。