年齢の変化と共に感じやすい肌の変化。とくに、顔の肌は、10代の頃は脂っぽくニキビに悩まされていたのに、大人になってからは毛穴やくすみ、乾燥が気になるなど、その変化を感じやすいかもしれません。そんな顔の肌と同様に、デリケートゾーンも年齢と共に変化します。また、その変化には女性の心や身体と密接に関連する女性ホルモンが影響しています。
今回は、世代別に見る女性ホルモンやデリケートゾーンの状態の変化や、トラブル対策などについてお伝えします。
女性ホルモンは年齢と共に変化する
女性の心と身体にさまざまな影響を与える女性ホルモン。改めて、どんな働きをするのかをご紹介します。
女性ホルモンは、女性だけが持つ内臓である卵巣で作られています。女性ホルモンには「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類があり、「エストロゲン」には代謝アップや美肌を促したり、女性に嬉しい作用があります。
一方、「プロゲステロン」は排卵直後に分泌量が増え、妊娠した場合に維持できるよう、身体に水分や栄養分を蓄えようと働きます。とくに年齢の変化によって分泌量の変化に特徴があるのが、「エストロゲン」です。
世代別「エストロゲン」の分泌量
「エストロゲン」の分泌量は年齢と共に変化します。
10代の思春期に初潮を迎え、分泌量は増加していきます。20代の性成熟期を迎えると、「エストロゲン」の分泌量は急増し、30代に向けてピークを迎えます。妊娠・出産に向けて身体の環境を整える時期だからです。そして、40代後半から50代の更年期を迎えると閉経し、「エストロゲン」の分泌量も減少します。
このように、「エストロゲン」の分泌量は世代によって違い、また、それによってデリケートゾーンの状態も変化します。
世代別デリケートゾーンの状態やトラブル対策法
思春期のデリケートゾーンはニオイやムレ対策を
思春期は、皮脂分泌が活発な時期。デリケートゾーンも例外ではなく、汗や皮脂分泌が活発になり、湿度や温度が高い湿った状態です。過剰な皮脂分泌によりデリケートゾーンには雑菌が繁殖しやすくなり、ニオイやムレが気になるかもしれません。
かゆみの原因になることも。ナプキンやおりものシートはこまめに変えたり、お手洗いの際にはゴシゴシ擦らないなど、基本的なケアをしましょう。
性成熟期のデリケートゾーンはおりものが最も多く
卵巣機能がもっとも活発になる20代〜30代の性成熟期。おりものの分泌が増え、デリケートゾーンはいつも湿っている状態です。そのためニオイやムレが気になったり、かぶれたりとトラブルが起きやすくもなります。
また、ライフステージの変化により、下着の素材が変わったり、ストッキングで締め付けや摩擦がキツくなったり、デリケートゾーンが強くこすれることでかゆみを感じることもあります。デリケートゾーンは清潔に保ち、専用ソープなどを使用し、弱酸性の環境を守ってあげましょう。トラブルが起きた場合は、早めに婦人科に相談することも大切です。
更年期はデリケートゾーンの乾燥に備えて
20〜30代でピークを迎えた「エストロゲン」の分泌は、40代になって減少していき、いずれは閉経を迎えます。女性ホルモンがゆらぐことで体調不良を感じたり、精神不安定さを感じる人もいるかもしれません。このような不調を、更年期障害と言います。
他にも、エストロゲンの急減により骨代謝のバランスが崩れ、骨量が減少。骨粗しょう症の診断を受けることもあります。デリケートゾーンは、膣粘膜が減少し、乾燥しやすくなります。
また、年齢と共に尿道周りの筋肉量が低下し、尿漏れに悩まされる人が増えるのも更年期。尿漏れによってデリケートゾーンはさらに刺激され、かゆみやかぶれなどのトラブルが起きることもあります。デリケートゾーンはしっかり保湿し、そもそもの女性ホルモンのゆらぎは、更年期外来などで相談するのも一つの方法かもしれません。
デリケートゾーンは年齢と共に変わる!世代にあったケアと対策を
女性ホルモンの分泌が年齢と共に変化する影響を受け、デリケートゾーンの状態やトラブルも年齢と共に変化します。デリケートゾーンは、その名の通り敏感でデリケートな部位。強い刺激はトラブルの元になります。世代によって悩みも変わるデリケートゾーンですが、擦らない、刺激を与えないはデリケートゾーンを守る基本であり、清潔に保ち、優しく保湿ケアをしてあげることでトラブルを防ぎましょう。
また、強いかゆみを感じたり、自分でのトラブル対策が難しいと感じたときは、婦人科などを受診してお医者さんに相談してみてください。