2022/09/18 更年期を迎えると骨折しやすくなるの?閉経後の骨粗しょう症について解説!


更年期を迎えると骨折しやすくなる女性が多くなるといわれています。急に骨折することが増えたり、気づいたら3cm以上も身長が縮んでいたり……。このような自覚症状があったら閉経後骨粗しょう症かもしれません。なぜ更年期に差し掛かると骨粗しょう症になりやすくなるのか、そのメカニズムや対処法についてお話します。

 

閉経後骨粗しょう症とは?


更年期を迎えたらなりやすい閉経後骨粗しょう症

粗しょう症という言葉は聞いたことがある人も多いかもしれません。骨粗しょう症は、骨の構造の悪化に伴い、骨が弱くなり骨折しやすくなる状態のことをいいます。
男性、女性ともに発症の可能性があり、男性の発症理由は病気や薬の服薬、栄養障害などが挙げられます。

一方、女性の骨粗しょう症のリスクが高まるのは加齢によるもの。骨の代謝は女性ホルモンが調整しているため、更年期を迎え、閉経後は女性ホルモンが減少すると、骨粗しょう症を発症しやすくなるのです。女性の加齢に伴う骨粗しょう症を、閉経後骨粗しょう症といいます。

なぜ閉経後骨粗鬆症になるの?理由は女性ホルモンの減少

40代後半にも差し掛かると、女性のカラダは大きく変化します。一番の大きな変化は閉経。平均して30年ほど付き合ってきた月経が終わりを迎えます。閉経に伴い、更年期を迎えると、今までとは違って、女性ホルモンも減少。
それにより、デリケートゾーンが乾燥しやすくなったり、ホルモンバランスの乱れによって心身ともに不調を感じやすくなったりします。そして、閉経後骨粗しょう症も更年期に発症しやすい病気のひとつなのです。

また、人種や体格によって個人差があったり、過度なダイエット、カルシウム不足、運動不足、日光照射不足、喫煙や過度なアルコール摂取などの生活習慣の乱れも原因になるといわれています。

閉経後骨粗しょう症の症状は?自覚症状はある?

閉経後骨粗しょう症は明確な自覚症状がありません。ただし、更年期に差し掛かり、以前なら転んでも骨に異常はなかったのに骨折するようになった……などと、自分でも何かおかしいということがあれば一度受診した方がよいかもしれません。
自覚症状はありませんが、身長は閉経後骨粗しょう症になっているかどうかの参考になります。20代のときより3cm以上身長が低くなっている場合は要注意。実は知らない間に骨折していて気づかずに経過していたということがあります。明らかな身長低下を認める場合も、一度受診し、検査した方がよいといえるでしょう。

閉経後骨粗しょう症の治療法

閉経後骨粗しょう症の治療方法は、薬の投与が一般的ですが、その他にも生活習慣指導、食事療法、運動療法なども行われます。薬の投与以外は、予防としても効果があると考えられています。

閉経後骨粗しょう症になって焦って治療する前に、若いうちから生活習慣を整え、運動を習慣にすることも大切です。具体的な予防対策についても考えてみましょう!

閉経後骨粗しょう症を予防するには?今からできること


食事で予防!骨密度を強化する栄養素を摂取

閉経後骨粗しょう症を予防するには、普段から骨を強化する食事を心がけることが大切です。積極的に摂取したい栄養素は、カルシウム、ビタミンDそしてビタミンK。

子どもの頃から「背が大きくなったら牛乳を飲むとよい」と言われてきた人も多いかもしれませんが、牛乳などに含まれるカルシウムは骨を強くする栄養素です。そして、カルシウム単体よりも、カルシウムとビタミンDを一緒に摂取することで腸管でのカルシウム吸収率が良くなります。

ビタミンDはカルシウムの吸収を促進して骨を丈夫にし、筋力を高める栄養素です。食事で摂取する場合は、サンマ、サケ、ブリ、しらす干しなどの魚類。カルシウムも多く含まれているので最適です。きのこ類やきくらげにも豊富に含まれています。これらの食材を普段から積極的に摂取したいですね。
ビタミンKは、カルシウムを取り込み骨を強くする栄養素です。豊富に含まれている食材は、納豆やブロッコリー、小松菜、ほうれん草、ニラなどの色の濃い葉野菜。カルシウムやビタミンDと一緒に摂取し、健康な骨をキープしたいですね。

日光浴でビタミンDを充足

ビタミンDは、食事と紫外線で充足できます。ビタミンDは日光が皮膚に当たることで活性化します。
紫外線は基本的にはポジティブには捉えられず、肌のためにもできるだけ避けた方がよいといわれているため、夏もなるべく日焼けしないように対策している人の方が多いのではないでしょうか。しかし、ビタミンD充足の観点から考えると、適度な日光浴も大切です。

運動で骨を強化!

運動不足は骨密度を低下させる要因となります。リモートワークの普及により、平日は家から出ないという人も増えていて、運動不足を感じる人もいらっしゃるかもしれません。
適度な運動をすることで骨に圧力が加わり、その刺激が骨の形成を促進します。運動は苦手という人も、エスカレーターではなく階段を使う、いつもより一駅分多く歩いてみるなど、軽度の運動から始めてみてはいかがでしょうか?

更年期を迎えても元気に自分らしくいられるために


女性にとって更年期を迎えるのはとても大きな節目。カラダにも大きな変化が伴うため、不安もあることでしょう。でも、人生は長いので、更年期を迎えた後も、元気に自分らしくいたいもの。だからこそ、不安を感じるだけではなく今から予防をして、備えるのもひとつの方法。

閉経後骨粗しょう症だけではなく、更年期に女性ホルモンが減少するとさまざまな不調をきたすことも。今からホルモンバランスを整える食事や生活習慣、「楽しい、心地よい」と感じ、リラックスできる方法も見つけておきたいですね。