ホルモンバランスも大きく関わる生理の不調や更年期症状。痛み止めの薬を飲んでも一時的な回復にしかならず、体の根本からの解決ができないこともありますね。体質改善も期待できる、体を整えるための漢方薬の力をご紹介します。
そもそも漢方薬って何?
漢方とは中国を起源とする日本の伝統医学のことで、漢方薬とはいくつもの生薬を組み合わせて作られる医薬品のことを指します。
中国では、数千年の年月をかけて、一人ひとりの症状に合った生薬の組み合わせ(処方)が生み出されてきました。
それをもとに、日本の風土や気候、日本人の体質などに合わせて発展してきたものが漢方薬です。「漢方」という呼び名は日本の伝統医学を指すものなのです。
漢方薬と西洋薬の違いは?
漢方薬の他に現代では西洋薬という言葉もよく耳にするかと思います。
西洋薬は基本的に単一成分、漢方薬は多成分で作られています。
単一成分で作られている多くの西洋薬は、ひとつの症状に対して1剤を投与します。そのため効果は強力であるものの、複数の病気が重なって症状が複雑になると薬の種類も多くなりがちです。
一方、複数の生薬が組み合わされた多成分の漢方薬は、複数の症状に対して1剤で対応できるケースも多くあります。
漢方薬の選び方や飲み方
多くの漢方薬は、その人の体質や症状に合ったものでないと、十分に効果を発揮することができないといわれています。
その体質を見極めるためには、漢方特有の知識を持つ医師に相談をする必要があります。一人ひとりの症状や体質に合った漢方薬を選んでくれるため、自分に合った漢方薬を見つけたいという方は、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。
飲み方についても医師に相談してみてくださいね。
漢方薬は個人に合わせて調合されているため、他人の漢方を飲む、または他人にあげるということは認められていません。
漢方薬はどんな症状におすすめ?
漢方は多くの人に飲まれていますが、特に高齢の方々では加齢に伴う虚弱や食欲不振、女性では不定愁訴や更年期に伴う諸症状などに対して漢方薬が使われることが多いです。
この他にも、性別年齢問わず、風邪や疲労倦怠感、便秘、頭痛などさまざまな症状に対し、一人ひとりの体質に合わせて漢方薬が処方されています。
ここで有名な漢方薬をいくつかご紹介します。
葛根湯(かっこんとう)
薬局やCMでもよく目にする漢方かと思います。風邪のひきはじめの症状である頭痛や発熱、鼻炎などにとても効果があるといわれています。
他にも筋肉痛や肩こりの改善も期待できるそうです。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
体力と気力を補う生薬が多く配合されている漢方で、食欲不振や夏バテ、体力増強などに効果があるといわれています。
免疫をつけたいときに飲まれることの多い漢方薬です。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
免疫力をあげたいときや、アレルギー性鼻炎・気管支喘息に効果があるといわれています。
五苓散(ごれいさん)
むくみや頭痛、下痢、急性胃腸炎、二日酔いなど幅広い症状に効果があるといわれています。
体の水分代謝改善も期待できるそうです。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
更年期障害によく使われる漢方薬で、のぼせや発汗・イライラ・月経不順などにも効果があるといわれています。
女性特有の症状でお悩みの方におすすめの漢方薬です。
自分に合った漢方薬を選んで、体を整えよう
漢方薬には種類がたくさんあります。自分の体質、悩み、症状などに合わせてしっかりと医師から処方してもらった漢方薬を飲み、根本から体を整えてみませんか。