2024/07/25 無月経とは?原因や治療法、放置するリスクをご紹介

3ヶ月以上月経がこない場合、「無月経」かもしれません。無月経の状態を放置していると、不妊などにつながるリスクが高まります。無月経が疑われる場合は、速やかに適切な治療を受けることが大切です。

今回は、無月経の種類や原因、治療法、放置するリスクなどについてご紹介します。無月経について理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

無月経とは

無月経とは、月経が周期的にくるべき年齢の女性において月経がこなくなる状態のことです。多くの場合、ホルモン異常などによって排卵が起こらなくなり、月経がこなくなります。

なお思春期以前や妊娠中・授乳中、閉経後の無月経は生理的無月経と呼ばれ、病気ではありません。それ以外の時期に無月経になる場合は、病気などの可能性が考えられます。

無月経の種類

無月経には、大きく分けて以下の2種類があります。

  • 原発性
  • 続発性

原発性無月経とは、18歳になっても月経がこないことです。通常、初めての生理は14歳ごろまでに見られることが多いため、中学を卒業しても月経がこない場合は婦人科を受診することが推奨されます。

また続発性無月経は、周期的に月経がきていた方で妊娠中・授乳中でないにもかかわらず、3ヶ月以上月経が止まってしまう状態のことです。

無月経を見極める基準

月経が始まった日を「1日目」とし、次の月経が始まる前の日までを「月経周期」といいます。月経周期には個人差があるものの、25~38日であれば正常です。月経周期が39日以上と長い場合は「稀発月経」、24日以内と短い場合は「頻発月経」と判断されます。

また、妊娠以外で3ヶ月以上月経がこない状態になると、無月経に該当します。

無月経の原因

原発性月経の原因は、染色体異常や腟、子宮の奇形などの性器異常、ホルモン異常などが考えられます。​​続発性無月経の原因は、多岐にわたります。無月経の原因として多いものは、以下の通りです。

  • ストレス
  • 無理なダイエット
  • 激しいスポーツ
  • 病気
  • 薬剤            など

精神的なストレスが溜まると、無月経が引き起こされる可能性があります。また無理なダイエットによって栄養が不足すると、生殖機能が低下して無月経になることがあるので注意しましょう。さらにアスリートなどが激しいスポーツをするのも、無月経の引き金になるといわれています。

ストレスやダイエットなどの原因がとくに思い当たらない場合は、甲状腺や子宮などの病気が原因の可能性もあります。また新しく薬を飲み始めたことがきっかけで月経が止まってしまった場合は、薬の作用によって無月経が引き起こされているかもしれません。

とくに向精神薬や制吐剤、胃薬の一部は無月経を引き起こしやすいといわれているので、無月経になってしまった場合は、薬の服用歴を確認してみてください。

無月経の治療法

原発性無月経の場合は、さまざまな病気をあわせ持っているケースがあるので、本人だけでなく家族にも十分なカウンセリングや説明が必要です。膣や処女膜が閉鎖している場合は手術を、ホルモン関連の異常の場合はホルモン療法を実施します。染色体異常が起こっている場合も、本人と家族の精神的なサポートが重要です。

続発性無月経の場合は、妊娠を望んでいるかどうかや、本人の不安度、原疾患の有無などによって治療法が変わります。すぐに妊娠を希望している場合は、排卵誘発剤を使用した治療を実施するケースが多いです。

またストレスや過度なダイエットが原因の場合は、ホルモン補充療法やカウンセリングなどを行います。脳下垂体に腫瘍などがある場合は、手術を実施します。

無月経を放置するリスク

原発性無月経では染色体異常を伴うケースも多いため、放置することで妊娠しにくくなる可能性があります。続発性無月経の場合、治療せずに放置していると月経が再開しにくくなります。月経が再開したとしても、原発性無月経と同様に妊娠が困難になってしまう恐れがあるのです。

また無月経は不妊を招くだけでなく、ホルモン異常のパターンによってはがんの発症リスクが高くなったり、若いうちから極端に女性ホルモンが少ないと骨折しやすくなったりする恐れがあるのです。とくに骨が形成される20歳までの間に、ホルモン不足の状態が長く続くと、将来的に骨粗しょう症になるリスクが高くなるといわれています。

このようなリスクを軽減するためにも、無月経が疑われる場合は早めに婦人科を受診し、適切な治療を受けましょう。婦人科やレディースクリニックの受診に抵抗がある方は少なくありませんが、生理不順の診断には、必ずしも内診は必要ありません。異常が続く場合は、まずは気軽に医師に相談してみることが大切です。

無月経が疑われるなら病院に相談しよう

今回は、無月経の種類や原因、治療法、見極める基準、放置するリスクなどについてご紹介しました。3ヶ月以上月経がこない場合は、無月経が疑われます。無月経を放置していると不妊などにつながりかねないので、不安な場合は速やかに病院に相談してみましょう。