女性の体は、生理周期の中で、コンディションが変化します。生理周期の各フェーズで起こる体調の変化に合わせて運動をすることで、より運動効果を高めることができるかもしれません。
本記事では、生理周期に合わせた運動について解説していきます。
生理周期とは
生理初日から次の生理が始まる前日までの間を生理周期といいます。生理周期には個人差はありますが、25〜38日間が正常とされています。
この生理周期には、卵胞期、排卵期、黄体期の3つのフェーズがあります。女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンのバランスが変化しながら、それぞれのフェーズのコンディションに影響を与えています。
生理周期のフェーズ別におすすめの運動
生理周期の中で、どのフェーズでどんな運動が適しているのでしょうか。各フェーズで起きているホルモンバランスの変化や体調に注目しながら、ご紹介していきます。
卵胞期前半
卵胞期前半は、月経開始~7日目ごろまでの時期を指します。
排卵後、妊娠が成立しなかった場合、子宮内膜がはがれて経血として排出されます。これが月経です。
この時期は、エストロゲン、プロゲステロンともに分泌量が低い時期です。
月経期間中も、運動をして構いませんが、腹痛や頭痛など不調を抱える方は、無理をしないようにしましょう。ヨガやストレッチなど、比較的負荷の少ない運動をして体を動かすと、血行がよくなり生理痛が和らぐこともあります。
また、ウォーキングや軽いジョギングを行うと、、月経期間中のストレス発散やリラックスにもおすすめです。
卵胞期後半
卵胞期後半は、月経後~1週間くらいの期間を指します。
卵巣で卵胞が成熟していき、徐々にエストロゲンの分泌量が増え始めます。そしてエストロゲンが子宮内膜を厚くして、妊娠に備え始める時期です。
精神的に安定し、集中しやすい状態なので、運動にはぴったりの時期です。ダイエットやボディメイクのためのトレーニングをしている方は、この時期にジョギングや水泳などの有酸素運動を重点的に取り入れるとよいでしょう。
新しいトレーニング方法にチャレンジしたり、負荷を増やすこともおすすめです。筋肉のトレーニングは、回数や強度を増やしてみましょう。この時期に負荷を増やしてトレーニングをすると、効率よく基礎代謝の向上やボディメイクにつながることが期待できます。
排卵期
排卵期は、排卵日前後の2~3日間を指します。
排卵前にエストロゲンの分泌量が最大になります。すると、卵胞から卵子が排出される排卵が起こります。
排卵後は、エストロゲンの分泌が急激に減っていき、徐々にプロゲステロンの分泌が増えます。急激にホルモンバランスが変化するため、メンタルや体調に不調を感じることもある時期です。
体調をみながら運動を行いましょう。無理に負荷を増やさず、現状維持をメインとして、体調が悪い時には休みましょう。特に不調を感じない場合は、積極的に負荷を増やしていっても構いません。
黄体期
次の月経開始1週間前~月経開始前日までの時期です。
排卵を終えた卵胞が黄体に変化し、プロゲステロンの分泌量が増えます。プロゲステロンは、妊娠を維持する役割をしているホルモンですので、栄養をためこもうと作用します。食欲も増すので、運動の効果も出にくいでしょう。
また、メンタルも不安定になりやすく、不安や苛立ちを感じやすい時期です。この時期は、筋力トレーニングのウエイトや回数などの負荷を普段よりも軽くして、無理をしないようにしましょう。 ヨガや散歩など負荷の軽い運動でリフレッシュするなど、心身のバランスを整えることを重視することをおすすめします。
月経期間中に運動をするときの注意点
先にもお伝えしました通り、月経中に運動をしても構いません。血行促進やストレス解消なども期待できるので、体調をみながら無理のない範囲で運動をすれば問題ないでしょう。
ただし、月経中に運動をするときは貧血に注意してください。月経中は血液と鉄分が失われますので、普段より貧血を起こしやすくなります。
運動中にめまいや立ちくらみを起こすと、転倒してケガをする可能性もありますので、気を付けてください。
生理周期に注目して無理なく運動を
今回は、生理周期に合わせた運動について解説しました。
女性の体は生理周期の中で、体調が変化します。体調の変化に合わせた運動を取り入れることで、より高い運動効果も期待できます。
なお、生理周期や体調には個人差があります。体調が悪いときには無理をしないことや、ハード過ぎる運動で、かえって健康を損なわないように、無月経や月経不順が起きていないかにも注意を向けましょう。