2023/12/25 生理のニオイが気になる!ニオイの原因や対策方法を解説

生理の時のニオイが気になるというお悩みをよく耳にします。ニオイが周囲にもれていないか心配になる方や、もしかしたら病気が原因のニオイではないかと不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、生理のニオイの原因やセルフケアでできる対策、ニオイで病院に行く目安などをお伝えしていきます。生理中のニオイが気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

ニオイの原因

生理特有のニオイは何が原因なのでしょうか。まず、ニオイの原因についてみていきましょう。

 

ニオイのもと

実は、経血そのものにはほとんどニオイがありません。経血が空気にふれると酸化して、雑菌が繁殖し、特有のニオイを発するのです。また、生理中はナプキンを付けているため、普段以上にデリケートゾーンがムレやすく、雑菌も繁殖しやすい状態です。加えて、アンダーヘアに経血が付くことや、通気性の悪い服装なども雑菌が繁殖しやすい環境につながります。

これらの理由から、生理中はデリケートゾーンからある程度ニオイがするのが通常です。鉄が錆びたようなニオイや酸っぱいニオイであれば、病気の心配はあまりないでしょう。

女性ホルモンの影響

生理前から生理中は、女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンの分泌量が増えます。プロゲステロンの働きによって、皮脂のや汗の分泌量も増えますので、生理期間中は、普段より雑菌が発生しやすく体臭も強くなる傾向にあります。
また、生理中はニオイに敏感になるともいわれており、余計に気になるのかもしれません。

ニオイは周囲にわかる?

生理のニオイがもれて、周囲の人にもわかるのではないかと心配される方もいます。ですが、よほどのことがない限り、周囲の人にはわからないと考えてよいでしょう。
ナプキンを交換するときやお風呂に入るときには、本人がニオイを感じやすいですが、洋服の外からわかるほど強いニオイではないことがほとんどです。

セルフケアで出来るニオイ対策

生理の時のニオイを抑えたいとお考えの方も多いことでしょう。次に、セルフケアでできる対策方法をご紹介します。

 

こまめなナプキンの交換

経血は体外に出てから、15分程度で酸化が始まり、2~3時間程度で細菌が繁殖しニオイが発生するといわれています。細菌の繁殖によるニオイを抑えるには、2~3時間を目安にナプキンを交換することをおすすめします。

それに、生理後半になると経血の量が減るため、ナプキンの交換頻度が下がり、ニオイがきつくなることがあります。経血量が少ないときにも、小まめなナプキンの交換を意識しましょう。
こまめな交換を行ってもニオイが気になる場合には、香り付きでニオイが軽減できるナプキンを利用する手もあります。

デリケートゾーンのお手入れ

アンダーヘアによるムレや経血が付着することでニオイのもとになります。脱毛や短くカットするなどのお手入れをすると、ニオイの軽減につながるでしょう。
また、トイレのビデでデリケートゾーンを洗ったり、専用のシートで拭き取ることもおすすめです。ただし、洗いすぎや強い力で何度も拭き取ると、デリケートゾーンの皮膚を傷めるので注意しましょう。

ナプキン以外の選択肢も

どうしても生理のニオイが気になる方は、ナプキン以外の選択肢を検討してみるのもよいかもしれません。経血が空気に触れて酸化し、雑菌が繁殖することで、独特のニオイを発しますので、タンポンや月経カップを利用すれば、経血が空気に触れる時間が少なくなり、ニオイの軽減が期待できます。

ただし、タンポンや月経カップを使用する場合には、トキシックショック症候群(TSS)に注意してください。 TSSとは、黄色ブドウ球菌が産生する毒素によって起こる急性疾患です。その毒素が原因で、高熱や発疹、嘔吐、下痢などの症状が出て、ときにはショック症状を起こして重篤な状態になるリスクもあります。 タンポンや月経カップを利用する際には、長時間使いすぎないように注意しましょう。

病院に行くべきサインと考えられる病気

生理中のニオイは、鉄のようなニオイや酸っぱいニオイであれば、あまり心配はいりません。ここでは、注意した方がよいニオイや考えられる病気についてお伝えしていきます。

 

細菌性膣症

腸の中に常在する細菌の集団を腸内フローラといいますが、膣内にも同様に細菌が常在し、それを膣内フローラといいます。
通常は善玉菌と悪玉菌がバランスを保っていますが、ストレスや性行為、洗いすぎなど、なんらかのきっかけで悪玉菌が増えすぎてしまうと、細菌性膣症を起こすことがあります。
おりものから生臭いニオイがするのが特徴で、生理中にニオイが強くなることがあります。放っておくと、骨盤内炎症性疾患を引き起こす可能性があり、不妊にもつながりやすくなります。

トリコモナス膣炎

「膣トリコモナス原虫」という微生物によって発症し、性行為だけでなく、タオルや便器、浴槽などからもうつります。
腟や外陰部の痛みやムズムズなどの症状が出て、おりものから腐敗臭のような強いニオイがするのが特徴です。卵管や子宮頸管などで炎症を起こすこともあり、早産や不妊症、子宮内膜炎などにつながるリスクもあります。
生理中は、特に腟トリコモナスが繁殖しやすいため、家族やパートナーとのタオルの共有は避けた方がよいでしょう。

子宮の病気

子宮内膜症や子宮筋腫が原因で経血の量が増え、それに伴い生理中のニオイがきつくなることもあります。
また、子宮頸がんや子宮体がんは、不正出血やニオイの強いおりものが出る傾向にあります。これらの症状がある場合には、子宮の病気を疑いましょう。

生理のニオイに異変を感じたら病院を受診しよう

生理の時のニオイを気にする方は多いものですが、病気が原因でなければあまり心配はいりません。こまめなナプキン交換やセルフケアでも緩和できるでしょう。
ニオイやおりものに異変があるときには、深刻な病気や不妊のリスクが隠れている場合もあります。気になる症状がある方は、早めに婦人科を受診しましょう。