2023/09/11 生理不順や体調不良はサインかも!?早期閉経の原因と対策をご紹介

「閉経」は月経が完全に止まった状態です。日本人の平均閉経年齢は約50歳となっていますが、個人差も大きく、40代前半で迎える方もいれば、50代後半で迎える方もいます。しかし、まれに30歳未満や40歳未満で閉経を迎える「早期閉経」が起こることがあります。早期閉経による無月経を放置すると体の他の部分にも影響するため、注意が必要なのです。 今回は、早期閉経についてご紹介します。「もしかして、私にあてはまる?」「実は気になる症状があった」と思われる方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

早期閉経(早発閉経)とは?原因も解説

30歳未満や40歳未満で閉経を迎えることを「早期閉経(早発閉経)」と呼びます。早期閉経の原因となるものには、染色体異常、自己免疫疾患、がんに対する化学療法、代謝性疾患、卵巣の外科的切除などがありますが、原因不明と診断されるケースがほとんどです。

次に、早期閉経の予防方法や治療方法についてもご紹介します。

 

早期閉経の前兆

生理の周期が1か月以上空く、もしくは1か月以内に何度も生理が来るなどの生理不順、3か月以上生理が止まっている無月経の場合は、早期閉経の前兆である可能性があります。ほてりやのぼせ、睡眠障害、気分の落ち込み、膣の乾燥など、更年期に似た症状が出る場合や、40歳以下で妊娠ができない場合も、早期閉経が疑われます。
ストレスや生活習慣の乱れで、多少の生理周期の乱れを経験したことがある人も多いでしょう。その経験から「よくあること」と放置してしまいがちですが、実は身体からの大事なサインかもしれません。思い当たることがあれば、早めに婦人科を受診することをおすすめします。

早期閉経の診断

早期閉経の診断には、血液検査や超音波検査で卵巣の機能を調べます。エストロゲンおよび卵胞刺激ホルモンの数値や、卵巣の中にどれくらい卵子が残っているかを、数回にわたり検査します。エストロゲンの減少による骨粗しょう症がないかを検査することもあります。

検査の結果、

・40歳未満である
・無月経の状態が3か月以上続く
・エストロゲン値が低い
・卵胞刺激ホルモンの値が高い

などの条件に当てはまると、早期閉経と診断されます。

早期閉経に起因するトラブル

一般的に、早期閉経を発症すると自然妊娠の確率はきわめて低くなります。症状には個人差があり、妊娠できないこと以外に何の症状も出ない方がいる一方で、ほてりや気分の落ち込みなど更年期障害のような症状が出る方もいます。
エストロゲンの減少により、若くても骨粗しょう症になりやすくなり、動脈硬化などの冠動脈疾患のリスクも高まります。また、膣が乾燥したり萎縮したりする可能性もあります。これは、一般的な閉経後にもよく起こる症状であり、性交痛やムズムズなどの不快感にもつながります。

 

早期閉経の予防や治療方法

早期閉経の予防方法や治療方法についても、解説します。

 

早期閉経の予防方法

早期閉経は原因がはっきりしないケースも多く、確実な予防方法といえるものはありません。とはいえ、早期発見に越したことはありませんので、日頃から自分の身体の変化に、きちんと目を向けることが大切です。ストレスや生活習慣の乱れはホルモンバランスに影響しますので、食生活に気を配り、適度な運動習慣、充分な睡眠、ストレス対策など基本的な生活習慣を整えることを意識しましょう。

早期閉経の治療方法

一般的な治療方法は、ホルモン補充療法です。卵巣機能の改善や、排卵の再開が期待できます。妊娠を希望する場合は、ホルモン補充療法の治療を続けながら、不妊治療や体外受精などの選択肢も視野に入れていきます。妊娠を希望しない場合でも、骨粗しょう症や膣の乾燥や委縮、動脈硬化などの冠動脈疾患等のリスクを予防するため、ホルモン補充療法が必要です。ホルモン補充療法は、一般的な閉経年齢である50歳前後まで続けていくことになります。
また、更年期障害の症状緩和のためには、生活習慣を整えていくことも大切です。

身体の変化に気を配ろう

早期閉経には、妊娠確率の低下や骨粗しょう症、その他疾患の発症リスクが高まるなどの影響があります。早期発見と対策が重要になりますので、日頃から自分の身体の変化に目を向けることが大切です。いつもと違う状態になったら、早めに婦人科を受診しましょう。
普段の生活習慣も大切。日頃から、あなたの心と身体に優しい選択を心がけてくださいね。