2023/05/29 睡眠と女性ホルモンの関係を知り、質のよい睡眠を手に入れよう

仕事にプライベートに忙しい日常を送っていると、気がつけば睡眠不足に。
それも仕方がないと思っている人も多いかもしれませんが、実はその睡眠不足は女性ホルモンバランスのゆらぎが原因かもしれません。今回は、睡眠と女性ホルモンの関係や、女性特有の睡眠の質が悪化する原因、睡眠の質を向上させるコツなどをご紹介します。

 

睡眠と女性ホルモンにある深い関係

私たち女性の身体は、女性ホルモンの影響を大きく受けています。同じく、心身だけではなく睡眠も女性ホルモンの影響を受け、変調をきたしやすいのはご存知でしょうか?
例えば、生理前になると眠くなるという経験をしたことがある人もいらっしゃるかもしれません。生理前だけではなく、妊娠中、出産後、そして更年期とライフステージの変化でホルモンバランスがゆらぎやすいタイミングでも睡眠の質が大きく変わります。逆に、睡眠不足や質の悪い睡眠が続くことで、ホルモンバランスが崩れやすくなるということも。つまり、睡眠と女性ホルモンは相関関係にあると言えます。

 

女性特有の睡眠の質が落ちやすい理由

睡眠と女性ホルモンは相関関係にあるからこそ、女性ホルモンのゆらぎや変化が睡眠の質に影響しています。それだけではなく、女性の置かれている社会的背景も理由の1つとして考えられています。
女性の社会進出によって働く女性が増え、現代の女性の多くはとても忙しい日々を送っているのではないでしょうか。結婚して働き続けていても、家事や育児の割合はいまだに女性(妻)9割・男性(夫)1割であるという調査結果も出ています。
限られた1日、24時間という時間の中で、仕事、家事、育児のほとんどを担っていると、必然的に睡眠時間が削られ、毎日の睡眠の質にもこだわれないという女性も多いかもしれません。

 

ライフステージ別女性ホルモンが睡眠に及ぼす影響

女性が置かれている社会的背景と同時に、女性の睡眠に影響を与えているのが女性ホルモンのバランスに大きな変化があるときです。女性ホルモンのバランスに変化が見られるのは次のような時です。

 

月経周期

生理前、異常な眠気に襲われてしまうという経験がある人もいるかもしれません。生理後の卵胞期、排卵期を経て、生理前にかけてプロゲステロンの分泌が盛んになります。この影響により、体温が上昇し昼夜の体温差があまりない状態になります。体温が十分下がらないと睡眠が浅くなりやすく、その結果日中に強い眠気を感じると考えられているのです。

妊娠期

生理前に分泌が盛んになるプロゲステロン。妊娠をしていれば妊娠を継続させるために、引き続きプロゲステロンの分泌が盛んになります。そのため、妊娠初期は日中でも眠いという人も多いかもしれません。妊娠週数が進むにつれ、プロゲステロンの分泌も穏やかになりますが、妊娠後期になると大きくなったお腹や、赤ちゃんの胎動、そして陣痛に向けた子宮の収縮が見られることもあり、眠りが浅くなりやすくなります。
また、母乳を作る準備のために、今度はエストロゲンの分泌が盛んになります。エストロゲンには睡眠を浅くしてしまう作用もあります。このように身体的な理由やホルモンバランスの変化が理由となり、妊娠後期は睡眠の質が下がると言われています。

出産後

出産後は急激なホルモンバランスの変化に加え、夜間授乳や赤ちゃんの夜泣きなども重なりやすく、夜にまとまって眠れなくなる女性が多いです。細切れな睡眠が続き、日中に眠くなってしまいます。

更年期

更年期にさしかかるとエストロゲンの分泌が急減少します。この変化により、更年期症状特有ののぼせ、発汗などの症状が見られます。この症状によって深く眠れないという女性もいらっしゃるのです。

睡眠の質を向上させるには

睡眠の質が悪い状態が続くと、ホルモンバランスも乱れやすくなり、さらに睡眠に影響するという悪循環に。自分のホルモンバランスの変化と付き合いながらも、睡眠の質を向上させる方法も知っておくと安心です。
長時間の睡眠時間の確保が難しくても、寝つきが良くなり、成長ホルモンが一番分泌されると言われている入眠直後の1時間30分の深いノンレム睡眠でしっかり眠ることができます。睡眠の質を上げるための方法は次の通りです。

 

朝の時間の使い方がカギ!

夜になって眠いと感じるのはメラトニンというホルモンが分泌されるからです。メラトニンには催眠作用があり、メラトニンがきちんと分泌されることで、良質な睡眠へと繋がります。そのメラトニンの分泌の鍵は朝。朝起きたらしっかり日光を浴び、身体に朝であることを認識させることが大切です。朝ごはんはしっかり食べて、体を活動させましょう。日中にしっかり活動すると、夜になるとまたメラトニンがきちんと分泌されます。

夜寝る前にはスマホNG!照明も暗めに!

夜寝る前のカフェインの摂取やアルコールの飲み過ぎ、テレビ画面やスマホ画面の見過ぎなどは脳が覚醒しやすくなるのでNG。せっかくメラトニンが分泌され、身体を休ませるようにいざなってくれているので、照明は少し暗めにしましょう。

寝る前はゆったりと過ごそう

寝る前は身体だけでなく心も落ち着けてゆったりと過ごすのがポイントです。ハーブティーを飲む、ストレッチで体をゆっくりと伸ばすなど、リラックスして夜を迎えましょう。

ホルモンバランスに寄り添いながら睡眠の質を整えて

忙しい日常を過ごしていると、十分な睡眠時間は確保できないかもしれません。ましてや、女性ならではのホルモンバランスの変化も睡眠に影響を与えてきます。だからこそ、睡眠の質を整えるのが大切。毎日の睡眠時間を増やすのは大変かもしれませんが、ホルモンバランスの変化にもうまく付き合いながら睡眠の質を整えていきたいですね。