女性であれば必ず訪れる閉経。閉経をしたら何が変わるの?と身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
閉経を迎える前に、閉経について知っておき、身体と心の準備をしておきましょう。
そもそも閉経って何?基礎知識を知っておこう
閉経って言葉は知っているけれど、具体的に閉経がどのような現象なのかを知らないという方もいらっしゃるかもしれません。
まずは、閉経とは何かについての基礎知識をご紹介します。
月経が"永久に停止した状態"が閉経
日本産科婦人科学会によると、閉経は「卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態」と定義されています。
閉経は誰もが同じタイミングでむかえるものではありません。日本人の平均閉経年齢は約50歳といわれていますが個人差は非常に大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経が来ます。
閉経はどうやって来るの?
閉経は初潮などのように目に見えてわかるものではありません。薬を飲む、病気が見つかった、などのような医学的な関係がなく、自然な状態で1年以上月経がこなかった場合、そこからさかのぼり最後の月経修了からが閉経となります。
例えば、52歳のときに「1年間生理が来ていないな」ということが分かればその1年をさかのぼり、51歳が閉経の年齢となるのです。
閉経が早く起こるケースもあるの?
ごくまれに40歳代よりも早く閉経がはじまったというケースがあります。これは、早発卵巣不全(POF)の可能性があります。
もしも、40歳未満で月経が止まった場合には一度医療機関へ相談されるのがよいかもしれません。
また、以下に該当する方は、閉経が早くくることがあります。
⚫︎喫煙習慣がある
⚫︎栄養状態がよくない
⚫︎高地に住んでいる
閉経したら何が変わってしまうの?
閉経したら自分の身体にどのような変化が起こるのかについて、不安になる方が多いかもしれません。変化が起こってから慌てないように、考えられる変化について知っておくことで気持ちが楽になることも。
ここからは、閉経に伴うホルモンバランスの変化についてご紹介します。
まず閉経をすると、女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌量が急激に低下するため、さまざまな変化が起こります。
肌が乾燥しやすくなり、弾力が失われる
エストロゲンの減少によって、コラーゲンやエスラチンという肌の弾力や潤いに影響を与える物質の生成も低下し、このことから肌が乾燥しやすくなります。目に見える肌の変化だけでなく膣の弾力も失われるため、性交時に痛みが生じたり性欲が減退したりするケースもあるのです。
骨粗しょう症になるリスクが高まる
エストロゲンには骨量を維持する働きがあるため、閉経によってエストロゲンが減少すると骨粗しょう症のリスクが高まります。閉経後の最初の5年間には、骨密度が急速に低下するため、骨折する可能性が高まるといえるので、この期間は特に転倒などに注意する必要がありそうです。
冠動脈疾患のリスクが高まる
閉経後は脂質代謝異常となりやすく、特に悪玉コレステロールの血中濃度が増加します。そのため、動脈硬化をはじめとした冠動脈疾患のリスクが高まるといわれています。
閉経後は、1年に1回の健康診断を受け、数値からもからだの変化を認識しておくと良さそうです
閉経のサインはある?セルフチェックしてみましょう
閉経が起こる前の5年間と閉経した後の5年間、あわせて10年間を更年期といいます。
閉経が起こる5年前から更年期症状が出始めるため、実は自分で閉経するタイミングを予測することもできるのです。
閉経のサインについてご紹介するので、閉経がはじまる前にどんな症状が起こるのかを知っておき、セルフチェックしてみてくださいね。
特に、ホットフラッシュは閉経前の女性の約8割に見られるといわれています。
ホットフラッシュとは少しの体温上昇でも暑く感じるようになるもので、急に顔が熱くなったり、汗が止まらなくなったりします。
そのため、温度調整が難しい、汗をたくさんかいて恥ずかしい、夜間汗をたくさん書いて夜中に起きてしまうなど、閉経時の悩みの1つにもなっています。
精神症状は、時に社会生活にも影響を及ぼすことがあります。
身体症状も精神症状もお薬の力を使ったり、日常生活を見直したりすれば症状がラクになることもあります。
ただし、これらの症状が見られたら必ずしも閉経のサインということではありません。何か他にも病気が隠れている可能性もあるため、気になる方は一度医療機関で医師に相談してみてもよいでしょう。
閉経のサインを知り、心の準備をしておきましょう
突然やってくる閉経のサイン。
急にイライラするようになったり、身体に不快な症状が出たりして何か病気ではないかと戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。
閉経のサインを先に知っておけば、今自分に起こっている状態を理解でき、自分の身体や心との向き合い方を考え直すきっかけとなるかもしれません。
「閉経はまだまだ先のこと」と思われている20~30代の女性も、閉経について知り心の準備をしておくことで、更年期を穏やかに過ごせるかもしれませんし、身近な方に閉経のサインを伝えられるかもしれません。
また身近な先輩たちの体調を気遣うこともできることもありそうです。
ただ怖がったり不安になることなく、からだの変化を受け止め、前向きな対処ができると心もからだも穏やかに更年期を過ごせそう。
この機会に、ぜひご自身の「からだの声」に耳を傾けてみてください!