女性は毎月の生理周期によって、女性ホルモンのバランスが変化します。栄養バランスの偏った食事や暴飲暴食などによって、ホルモンが正常に分泌されなくなると、PMSなどの不調が悪化する恐れがあります。
今回は、ホルモンバランスを意識した食事のポイントについてご紹介します。女性ホルモンと似た働きをするおすすめの栄養素についても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ホルモンバランスとは?
ホルモンとは、体内で分泌され、さまざまな組織や器官の働きをコントロールする物質です。そのなかでも女性ホルモンは「エストロゲン」と「プロゲステロン」に分けられ、月経周期と連動して分泌量が増減します。
これらの分泌が正常に行われなかったり、サイクルが乱れたり、加齢などによって分泌量が減ったりする状態を「ホルモンバランスが崩れる」といいます。ホルモンバランスが崩れると、女性の心と体にさまざまな不調が起こりやすくなります。
ホルモンバランスが崩れる食生活の例
以下のような食生活を続けていると、ホルモンバランスが崩れる原因となります。
- 1日1~2食で済ませている
- 偏食である
- ファストフードや揚げ物が多い
- 野菜が少ない
- お菓子などの間食が多い
1つでも当てはまる場合は、まず今の食生活を見直すことから始めてみましょう。
ホルモンバランスを意識した食生活のポイント
これさえ摂ればホルモンバランスが整うという、都合の良い食材はありません。女性ホルモンの正常な分泌を促すためには、タンパク質や炭水化物、脂質などの栄養素を総合的にバランスよくとることが大切です。
また、食事内容だけでなく、適量をなるべく規則正しくとることもポイントです。1日3食を欠かさずに食べ、間食や飲酒はほどほどにしましょう。
ホルモンバランスが気になる人におすすめの栄養素
栄養バランスの整った食事を基本としつつ、女性ホルモンのバランスを意識した栄養素を積極的に摂りましょう。ここからは、ホルモンバランスが気になる人におすすめの栄養素についてご紹介します。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た構造を持つ成分です。骨粗しょう症、乳がんへの効果が期待されている一方、乳がん発症や再発のリスクを高める可能性も考えられるなど、有効性についてはまだ研究途上です。大豆イソフラボンは、豆腐や納豆、豆乳、きなこ、味噌などの食品に含まれています。
全ての女性の健康に欠かせない栄養素です。
エクオール
エクオールは、大豆イソフラボンから生まれる成分です。大豆イソフラボンの一種である「ダイゼイン」が腸内細菌によって代謝されると、エクオールに変化します。
東京医科歯科大学の研究チームは、更年期、閉経後女性46人を調査したところ、エクオール尿中排泄量が1.2mg以上の女性は、更年期症状が強く現れるリスクが低いとの研究結果を発表しています。
ただし、全ての人が腸内でエクオールを作れるわけではないので、サプリメントで上手に補うことが必要です。また、エクオールを作れる人でも、原料となる大豆イソフラボンがなければ作られないので、大豆食品の摂取は欠かせません。
ビタミンE
ビタミンEは脂溶性ビタミンの一種で、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。健康維持に欠かせない栄養素のひとつであり、「若返りのビタミン」と呼ばれることも。ビタミンEは、アーモンドや落花生、ブロッコリー、ほうれん草、カボチャ、アボカド、卵、オリーブオイル、うなぎ、ツナ缶などに豊富に含まれています。
ビタミンAやビタミンCと一緒に摂取すると、さらに健康に役立ちます。またビタミンEは脂溶性のため、油と一緒に摂ると体内に吸収されやすいです。ほうれん草には、ビタミンEとビタミンCの両方を多く含んでいるので、とくにおすすめの食材です。
ホルモンバランスを意識した食事例
ホルモンバランスを整えるメニューとしておすすめなのは、和食です。ご飯と味噌汁、魚料理、煮物、おひたしなどを組み合わせた和食メニューは、健康を保つために必要な栄養素をバランスよく摂取できます。
1日に1~2回は魚料理を意識的に取り入れ、緑黄色野菜を使った副菜を昼食と夕食に1皿ずつ加えると、栄養バランスの整った食事になりやすいです。
デザートには、皮ごと手軽に食べられるリンゴやブルーベリー、栄養価の高い旬のフルーツなどを1日200gを目安に取り入れてみましょう。また、きなこを使った和のデザートもおすすめです。
飲み物には、イソフラボンを含む豆乳や味噌汁などが適しています。
ホルモンバランスを意識して、食生活を見直そう
今回は、ホルモンバランスを意識した食事のポイントについてご紹介しました。ホルモンバランスが崩れると、女性の心と体にさまざまな不調が生じやすくなります。毎日の食生活を見直して、栄養バランスの整った食事を規則正しくとれるように心がけましょう。