2024/10/20 出血量の増加は更年期のサイン?病気のリスクや受診の目安もご紹介

「40代になって、前よりも生理の出血量が多い…」「出血量が増えたのは更年期のサインなの?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。40代を迎えて経血量が増えるのは、閉経に向けてホルモンバランスが乱れることが関係しているといわれています。しかしそれ以外に、女性ならではの病気が隠れている可能性もある点に注意が必要です。 今回は、40代以降で生理の出血量が増える原因や、考えられる病気、病院を受診する目安などについてご紹介します。生理の出血量が増えてお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

40代以降で生理の出血量が増える原因は?

女性の体は、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンの働きにより、月経周期を繰り返しています。閉経が近づいて卵巣機能が弱まってくると、女性ホルモンの分泌が不安定になり、月経周期が乱れやすくなるのです。

月経の乱れ方は、人によって異なります。月経周期が短くなる方もいれば、長くなる方もいます。また、経血量が少なくなることもあれば、貧血に陥るほど多量の経血が出ることもあるのです。大量の経血が出る原因としては、主に以下のようなものが考えられます。

  • エストロゲンの分泌量が一時的に増加し、子宮内膜が分厚くなりすぎた
  • 子宮内膜がうまく剥がれず分厚くなりすぎていたが、急に剥がれ落ちた


とくに子宮筋腫などによってもともと経血量が多い方は、更年期に大量出血が起きやすい傾向にあります。

大量出血の原因に病気が隠れている可能性も

月経時の大量出血の原因は、ホルモンバランスの乱れだけとは限りません。ここからは、大量出血を引き起こす女性ならではの病気についてご紹介します。

子宮筋腫

子宮筋腫は、30~50代によく見られる良性腫瘍です。初期段階ではほとんど自覚症状はありませんが、筋腫が大きくなるにつれて生理痛が激しくなり、出血量も増加します。筋腫が小さいとしても、子宮の内側に突き出ていたり、子宮筋層の中にできていたりする場合は、大量出血につながる可能性もあります。 症状が悪化すると、周辺の臓器にも影響が現れます。下腹部の張りや頻尿、腰痛、便秘などを引き起こす恐れもあるので、早期発見と治療が大切です。

子宮腺筋症

子宮腺筋症になると、子宮内膜に似た組織が子宮筋層の中で増殖と剥離を繰り返すので、子宮筋層が次第に分厚くなり、大量出血を引き起こしやすくなります。

子宮頚がん

子宮頚がんは20~30代に多いがんですが、更年期に発症する可能性もあります。子宮頚がんの初期症状はほとんどありませんが、症状が進行するとおりものの量が増加したり、茶色がかった色になったり、不正出血を起こす場合があります。

子宮体がん

子宮体がんは、子宮内膜で発生するがんです。30代後半から増加し、とくに40~60代に多いといわれています。初期症状で9割の方に不正出血の症状が見られ、おりものが増えたり色が茶褐色に変化したりするのが特徴です。

子宮頚管ポリープ

子宮頚管ポリープは、20~50代の女性によく見られる病気です。子宮頚がんや子宮体がんと同じく、おりものの量が増加して茶褐色に変化します。しかし子宮頚がんや子宮体がんと異なり、出血量は少なめです。スポーツをした後や、排便時に出血することがあります。

こんな場合は病院で受診しよう

大量出血の原因は、ホルモンバランスの乱れから女性器の疾患によるものまで多岐にわたります。経血の状態や量だけでは判断できないので、少しでも気になる症状があれば早めに婦人科を受診しましょう。

女性器の疾患によって大量出血が起こっている場合は、症状が進行する前に早期発見し、適切な治療を受けることが大切です。また、ホルモンバランスの乱れが原因の場合も、生活に支障が出るほどの大量出血の場合は、治療を受けたほうが快適に過ごせるようになるでしょう。

病院で診察を受ける際、基礎体温表がある場合は持参しましょう。基礎体温のデータがあれば、医師の診断の材料になります。また、普段から基礎体温を測っておけば、月経周期や更年期など体の変化を把握しやすくなるので、日常的な体調管理としてもおすすめです。

大きなトラブルが生じる前に対策を

上述したように、更年期の大量出血はホルモンバランスの乱れが原因となる場合や、深刻な疾患が隠れている場合があります。疾患は早期発見早期治療がベストです。そのため、たとえ大量出血がないとしても、定期的に婦人科健診を受けましょう。

また、更年期が近くなると頻発月経や過多月経が起こりやすいので、知らず知らずのうちに貧血になっているケースもあります。「だるい」「息切れがする」「疲れやすい」などの症状がないとしても、1年に1~2回は貧血の検査や治療を受けるのがおすすめです。

経血量の増加が気になったら一度病院を受診しよう

今回は、40代以降で経血量が増える原因や、考えられる病気などについてご紹介しました。更年期が近づくと、女性ホルモンバランスの変化によって経血量が大きく増えたり減ったりすることがあります。しかし経血量の増加の背景には、深刻な病気が隠れている可能性もあるので、少しでも気になる症状があれば早めに病院を受診しましょう。