ドラッグストアや薬局で見かけるスキンケア商品に表示されている「医薬部外品」。目にする機会は多いものの、この言葉の意味をご存知でしょうか。
肌を保湿したい、シミ対策をしたいと目的を持って購入することが多いスキンケアだからこそ、パッケージに表示されている情報の意味を理解することが大切。今回は、医薬部外品と化粧品に関するそれぞれの定義や違い、使い方についての基礎知識をご紹介します。

医薬部外品と化粧品の「見分け方」と「定義」

スキンケアなどの商品のHPやパッケージなどに、商品の情報が記載されているものを目にした方も多いと思います。この中に医薬部外品だと表示されているものは「医薬部外品」、ないものは「化粧品」に分類されます。分ける基準を明示しているのが、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律（＝薬機法）という法律です。

医薬部外品には目的に対する有効成分が含有されているものの、有効成分と同じものを化粧品に配合している場合もあります。

その他に、医師によって処方される「医薬品」があります。
つまり、私たちが日常で目にするものは「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」の3つ。3つとも目的や効果が異なるため、違いをよく知り目的などに合わせて選ぶことが大切です。

「医薬品」の定義

医薬品は、疾病の診断や治療、予防を目的としたものです。また副作用のリスクがあり、医療用医薬品とOTC医薬品に分類されます。
医師の処方箋、もしくは医師の指示によって供給されたものは「医療用医薬品」です。

一般用医薬品は、「第一類医薬品」「第二類医薬品」「第三類医薬品」に分類され、OTC（Over The Counter）医薬品とも呼ばれています。

「医薬部外品」の定義

れ、機械器具等ではないものです。スキンケアだけでなく、育毛剤やデオドラント剤などの体に使用するもの、胃腸薬やビタミン剤の一部、さらには殺虫剤など多岐に渡るものが医薬部外品に含まれます。

医薬部外品に区分されるスキンケア商品は薬用化粧品とも呼ばれます。有効成分が一定濃度で配合され、厚生労働省の承認を受けることが条件となります。

「化粧品」の定義

化粧品の定義は、美しく見せる、人の体を清潔にする、頭皮や毛髪を健やかに保つなどを目的としたもの。人体に対する作用が緩和されたものであり、薬機法により全成分の表示が義務付けられています。

医薬品は病気の治療のためのもの

例えば、肌荒れや赤みがひどいなど、自分では手に負えない症状を治療したい場合は、医師の診察を受けて、医薬品の処方を受けましょう。医師の指示に従って、決められた用法用量で使用することが必須です。

軽度なものであれば、ドラッグストアや薬局でOTC医薬品を選ぶのも選択肢の1つとなりますが、少しでも不安な点があれば、医療機関を受診するのがベストです。

要指導医薬品や第一類医薬品の場合、店頭では空箱が陳列されており、薬剤師から使用方法や副作用の説明を必ず受けた上でないと購入できません。

要指導医薬品や第一類医薬品の場合、店頭にあるものは空箱陳列となっているはずなので、薬剤師から使用方法や副作用の説明を必ず受けた上で購入します。

第二類医薬品、第三類医薬品は説明を受けずに購入可能ですが、不安な点があれば薬剤師や販売登録者にしっかり相談した上で購入するのが良いでしょう。

2014年より、第一類・第二類・第三類医薬品は厚生労働省が許可した業者のみインターネットから購入できるようになりましたが、医薬品には大なり小なり副作用のリスクがあります。気になる点がある場合は対面で相談した上での購入がおすすめです。

医薬部外品はケアの目的に応じて選べる

シミを防ぎたい、ニキビを防ぎたいなど、スキンケアの目的が明確な場合は、医薬部外品をチェックしましょう。

医薬部外品は、有効成分の種類や濃度はもちろん、品質や安全性などについて、厚生労働省の承認を受けないと販売できません。
有効成分も、それ以外の成分も、基本的に使用実績のある成分が用いられます。新しい成分を用いる場合には、安全性など膨大な試験データの提出が求められます。

「ニキビを防ぐ」「メラニンの生成を抑えて、しみ・そばかすを防ぐ」「皮膚の清浄・殺菌・消毒」など、化粧品では訴求できない効能効果を書けることも、特徴の1つです。

化粧品は処方の自由度が高くメーカーごとの個性が出せる

新しい成分や技術を取り入れたアイテムを使いたいと考えている方なら、化粧品を選ぶのもおもしろいところ。

医薬部外品は使用できる成分がある程度決まっていますが、化粧品は化粧品基準という最低限のルールを守れば、自由に成分を配合して、製品作りができます。

これからスキンケア商品を手に取るときには分類などもチェックしながら選んでみてはいかがでしょうか。