めまいや吐き気は、更年期に出やすい症状のうちのひとつです。なぜ、更年期になるとめまいや吐き気が起こるのでしょうか。本記事では、更年期に起こるめまいや症状について、その原因と対策方法について解説していきます。
気になる症状がある方、めまいや吐き気をなんとかしたいとお考えの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

更年期にめまいや吐き気が起きる原因

まず、更年期にめまいや吐き気が起こる原因について、みていきましょう。

ホルモンバランスの変化

更年期とは、40代半ば頃から50代半ば頃までの約10年間をさします。この時期はホルモンバランスの変化によって、さまざまな不調が起こりやすい時期です。

女性ホルモンは、脳からの指令により、卵巣から分泌されます。更年期になると脳が女性ホルモンを分泌するよう指令を出しても、卵巣からのホルモンの分泌量が増えません。そのことから脳に混乱が生じ、自律神経が乱れてさまざまな不調が起こるのです。

自律神経が乱れると、ホットフラッシュや頭痛など、血流に関連する症状が起こりやすくなります。めまいもそのうちのひとつです。

また、更年期には胃腸などの消化器官にも影響が出ることもあります。めまいと吐き気が両方起こることもあれば、そのいずれかの症状が出ることもあります。

ストレス

更年期の症状は、疲労などの身体的ストレスや心労など精神的ストレスがあると症状が出やすくなる傾向があります。

更年期の女性は、仕事に家事に育児にと、多忙で責任が伴う生活を送っていますので、心身にストレスがかかることも多いでしょう。自律神経の乱れに加えて、ストレスもめまいや吐き気の一因であることが考えられます。

疾患による症状の可能性も

めまいや吐き気は更年期によくある症状ではありますが、他の疾患が原因の可能性もあります。メニエール病や突発性難聴、甲状腺に関わる疾患が原因で、めまいや吐き気が起きていることもあります。
つらい症状が続く場合には、自己判断をせずに病院で診察を受けるようにしましょう。

めまいや吐き気が起きたときの対処法

更年期にめまいや吐き気が起きたときは、どのように対処すればよいのでしょうか。次に、実際にめまいや吐き気が起きたときの対処方法について、ご紹介していきます。

安静にする

めまいや吐き気でふらついていると、転倒のリスクもあり危険です。
自宅にいる場合は、ベッドやソファで横になり休みましょう。外にいるときは、壁にもたれたり、その場にしゃがみこむなどして、まずは転倒のリスクを避けてください。座ったり横になれる場所があれば、そこで安静にしましょう。
可能であれば目を閉じて、深呼吸を繰り返すと落ち着きやすくなります。

水分をとる

めまいやふらつきがあるときには、水分補給をしましょう。
水分不足や血圧が下がりすぎて、めまいやふらつきが起こることもあります。水分を多めに摂りましょう。
また、水分不足にならないように、普段からこまめに水分補給をする習慣をつけておくことも大切です。

ストレッチ

めまいには、ストレッチによるリフレッシュもおすすめです。
首の筋をゆっくりと動かすストレッチや肩を回す動きにより、血流が促されます。

更年期のめまいや吐き気にセルフケアでできること

ここでは、めまいや吐き気の予防や緩和に、セルフケアでできることをご紹介していきます。

バランスの取れた食事

めまいを予防するには、自律神経のバランスと血圧の安定が重要です。
ビタミンEやEPAやDHAを多く含む食品を積極的に摂るとよいでしょう。

ビタミンEは、アーモンド、大豆製品、うなぎなどに多く含まれています。EPAやDHAは、サンマ、サバ、ブリなどの青魚類に多く含まれています。

規則正しい生活

心身にストレスをためないよう、規則正しい生活をすることが重要です。とくに、起床時間と就寝時間を毎日同じにして、自律神経を整えることを意識するとよいでしょう。

自律神経を整えるには、日中に優位となる交感神経と休息時に優位となる副交感神経の切り替えが大事です。起床時間と就寝時間を毎日同じにすることで、体にリズムができ、切り替えがスムーズになります。

適度な運動

適度な運動も自律神経を整えるためにおすすめです。ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなど、無理なく続けられるものを取り入れるとよいでしょう。適度な運動は、ストレス発散にもなります。

忙しくて運動をする時間が取れないという方は、できるだけ階段を使う、通勤時に1駅分だけ歩くなど、日常生活に運動を取り入れる工夫をするとよいでしょう。

改善しない場合は病院の受診を

生活を整えるなど、セルフケアをしても改善が見られない場合は、病院を受診しましょう。ホルモン補充療法や漢方薬を利用した治療などの選択肢もあります。我慢せずに、医師の診断を受けましょう。

更年期のめまいや吐き気の対策は、自律神経を整えることが大切

今回は、更年期に起こる吐き気やめまいをテーマにお伝えしました。
更年期の症状は、ホルモンバランスの変化からくる自律神経の乱れによって起こります。規則正しい生活や食事などのセルフケアで、自律神経を整えましょう。つらい症状が続く場合には、無理をせずに病院を受診してください。