「生理日ではないのに子宮が痛い!大丈夫?」と不安になった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、生理日以外で子宮が痛いときに、考えられる原因や病気について解説します。気になる症状がある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
生理でもないのに子宮が痛いわけ
生理中は子宮の収縮によって痛みを感じることがあります。その痛みはいわゆる生理痛で、病気ではありません。では、生理中以外で、子宮が痛いのはなぜなのでしょうか。考えられる原因や病気について、ご紹介していきます。
- 排卵痛
生理日から次の生理日の間の時期に、腹部に痛みを感じる場合には、排卵痛が考えられます。 排卵とは、卵胞にある卵子が成長し、卵巣から排出されることです。たとえば、生理周期が28日の方は、生理開始日から約14日後に排卵が起こります。排卵時に卵巣の膜が破れるため、排卵痛が生じることがあります。
排卵痛は、排卵日前後の2~3日でおさまることが多いですが、出血を伴うこともあります。排卵時に卵巣が傷ついて出血する他、排卵前後にホルモンバランスが急激に変化し、子宮内膜の一部が剥がれて出血を起こすこともあります。
排卵時に起こる出血は病気ではありませんが、なんらかの病気による不正出血との違いを見極めることが大事です。排卵時に起こる出血は、通常2~3日、長くても1週間で止まりますので、長引く場合は医師に相談しましょう。
- 異所性妊娠(子宮外妊娠)
受精卵が子宮以外の場所に着床することを異所性妊娠といいます。受精卵は通常、卵管を移動して子宮内膜に着床しますが、卵管に炎症などが起きていると、受精卵が正常に子宮まで運搬されずに、卵管や卵巣、腹膜など子宮外の場所で妊娠が起こります。
初期段階では無症状のこともありますが、腹痛や不正出血は要注意の症状です。
妊娠が進むと、妊娠が起きていた卵管などが破裂し、大量出血が起きて命の危機に陥ることもあります。
子宮の病気
子宮の病気が原因で、生理日以外の日に子宮が痛むことがあります。
- 子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮に良性の腫瘍が出来る病気です。よくある症状として、生理痛が重くなることや過多月経があげられます。
生理日以外にも子宮に痛みが生じることもあり、腫瘍が大きくなると、腹部への圧迫感や貧血、頻尿などの症状が現れることもあります。
- 子宮内膜症
本来は、子宮に子宮内膜ができますが、子宮以外の場所に、子宮内膜やそれに似た組織が発生してしまう病気が子宮内膜症です。性交時や排便時など、生理に関係ないときにも下腹部に痛みが出ることがあります。また、不妊の原因になることもあります。
- 子宮頸がん・子宮体がん
子宮にできるがんのうち、子宮の入口にできるがんを子宮頸がん、子宮の奥にできるがんを子宮体がんといいます。
いずれも初期段階では症状が出にくい病気ですが、症状が進むにつれて、下腹部に痛みが現れることもあります。その他、おりものの異常や不正出血がみられることもあります。
卵巣の病気
卵巣の病気からも、下腹部に痛みが起こりやすいです。
- 卵管炎
卵管に炎症が起きている状態を卵管炎といいます。卵管の炎症は、卵巣にまでおよぶこともあります。下腹部の痛み、不正出血やおりものの増加がみられることがあります。
- 卵巣嚢腫
卵巣嚢腫は、卵巣にできた腫瘍に液体がたまった状態です。嚢腫が小さいうちは、症状がほとんどありませんが、大きくなるうちに、周辺の器官が圧迫されて、お腹の張りや下腹部の痛みが生じることがあります。
大きくなった卵巣嚢腫が、何らかのきっかけでねじれる卵巣嚢腫茎捻転が起こると、激しい痛みを生じます。
- 卵巣がん
卵巣がんは卵巣に発生するがんです。
初期症状はほとんどありませんが、がんが大きくなると、お腹の張りや下腹部痛などが起こります。
子宮の痛みで病院に行く目安
日常生活に支障をきたすほどの痛みを感じる場合はもちろんのこと、体に異変を感じたら病院を受診することをおすすめします。子宮の痛みのほか、おりものの変化や不正出血も重要なサインとなります。 また、普段から体の変化やサインに気づけるように、定期的に婦人科で健診を受ける習慣をつけておくとよいでしょう。
生理日以外で子宮が痛いのは体からのサインかも?
今回は、生理日以外で子宮に痛みが生じる原因や考えられる病気についてご紹介しました。生理日以外の子宮の痛みは、病気や不妊につながる場合もありますので、日頃から体の変化に注目して、大事なサインを見逃さないようにしましょう。