健康な女性なら必ずある生理。頭痛やだるさの他に、お通じも何となく乱れがち…そう感じている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、お通じのメカニズムをよく知って対策すれば、毎月の憂鬱な生理期間でも快適に過ごすことにつながります。お通じには体の老廃物を排出する意味合いもあるので、デトックスを意識している方にも大切なポイントです。辛いと感じる生理期間を少しでも楽に乗り切れるように、お通じついて考えてみましょう。
⽣理前には便秘気味に、⽣理中は快便になる理由
生理前に便秘気味になるのは、排卵後に卵巣から分泌される黄体ホルモンの影響です。黄体ホルモンは大腸での水分吸収を抑えるので、排卵後から生理までの間は便が硬くなり、便秘気味になります。
一方、⽣理中に快便になるのは、黄体ホルモンが減少することに加えて、子宮を収縮させるためのプロスタグランジンが腸管をも収縮させるからです。さらに、生理中はホルモンバランスの変化で精神が不安定になり、ストレスが原因で下痢を起こしている可能性もあります。
気をつけるべきこと
生理前後にお通じの乱れを乗り切るセルフケアをご紹介します。
生理前の便秘対策
生理前の便秘対策は、まず食事や生活習慣を見直すことから始めましょう。特に以下の4点が大切です。
⚫︎小まめにたっぷり水分摂取
⚫︎食物繊維と発酵食品を積極的に摂取
⚫︎適度な運動で血流促進と腸の動きを活発に
⚫︎「の」の字マッサージなどの腸マッサージを行う
水分は小まめにたっぷりと、1日に1~1.5リットル以上摂取しましょう。特に冬は忘れがちなので注意が必要です。生理前だけでなく日頃から、食物繊維や乳酸菌などを用いた発酵食品を意識してとることも重要です。
激しい運動でなくてもよいので、自分が心地よいと感じる程度の運動を行いましょう。便を排出できるように腹筋を鍛えるのもおすすめです。
おへその下から右下→右上→左上→左下と行う、時計回りに腸をマッサージする「の」の字マッサージは便の排泄をスムーズにすることが期待できます。毎日行うのがおすすめです。
生理中の下痢対策
生理中の下痢に備えて、自分でできる下痢対策を知っておきましょう。生理中の下痢を予防するには以下のことに注意します。
⚫︎体を冷やさないようにする
⚫︎刺激のある飲食物や甘いものは控える
⚫︎水なしで飲める下痢止めを携帯する
生理中は普段以上に体を冷やさないようにしましょう。夏は冷房のあたり過ぎにも注意です。辛いものや冷たい飲食物以外にも、豆類や糖類を含む食品は水分をため込むので、下痢を起こしやすくします。
生理期間中の下痢が心配な場合は、水なしで飲める下痢止めを携帯すると、お守り代わりにもなって安心です。
⽣理前後のお通じ対策としておすすめの食事や生活習慣
生理前後のお通じの悩みには、腸の健康を意識した食事や、リラックスできる生活習慣が重要です。積極的にとりたい食品や、自宅でもできるリラックス法などをご紹介していきます。
生理前後の食事
生理前後のお通じの悩みへの対策として、腸の健康を考えた食生活を意識しましょう。特に以下の食品がおすすめです。
⚫︎食物繊維を含む食品
-- いも類、きのこ類、海藻など
⚫︎乳酸菌やビフィズス菌を含む食品
-- ヨーグルト、チーズ、漬物など
⚫︎オリゴ糖を含む食品
-- 大豆、ごぼう、アスパラガスなど
食物繊維には、便を柔らかくする水溶性食物繊維と、便の量を増やす不溶性食物繊維があり、どちらも便秘予防には大切です。水溶性食物繊維は海藻類に、不溶性食物繊維はきのこ類といも類に多く含まれています。
善玉菌を食事から補うことも、腸の健康維持に役立ちます。ヨーグルト、チーズ、漬物など、発酵食品に多く含まれるので、意識して取り入れるようにしましょう。
オリゴ糖は善玉菌の栄養源となるため、腸の働きを整えるのを助けます。大豆、ごぼう、アスパラガスなどに多く含まれるため、積極的にとりましょう。
食事からとるのが理想ですが、難しい場合はサプリメントも上手に活用して、バランス良く補ってください。
生理期間に取り入れたいお手軽リラックス法
生理によるストレスが、便秘につながることもあるため、リラックスも大切です。手軽にできるリラックスとして、入浴を見直してみましょう。
38〜40度のぬるめの湯船に、約20分間つかりましょう。体が温まり血行がよくなって新陳代謝が活発になるだけでなく、副交感神経も優位になり、リラックスできます。水圧で血管やリンパ管が圧縮され、血液やリンパ液の流れもスムーズになるとも言われています。肩までつかるのが苦手な場合は、腰までつかる半身浴や、シャワーを用いたシャワーマッサージもおすすめです。
生理前後のお通じを整えて健康になろう
生理前後に乱れがちな女性のお通じ。食生活やちょっとした生活習慣で、正常に整えられます。
日頃から食事、入浴、運動などの生活習慣を意識して、毎日を過ごすように心掛けましょう。