毎年4月9日は「子宮頸がんを予防する日:子宮の日」です。子宮頸がんは若い女性でも罹患しやすいがんの1つ。子宮頸がん検診、子宮頸がんワクチン、そして子宮へのセルフケアなど、「子宮の日」に思いを寄せて私たちができることを今一度考えてみませんか?
子宮頸がんの基礎知識
女性特有のがんには、乳がんや卵巣がん、そして子宮頸がんおよび子宮体がんがあります。
女性のがん罹患数は、1位が乳がんで、大腸がん、肺がん、胃がんと続き、5位には子宮系のがんが入ります。
とくにAYA世代と呼ばれる20代、30代の女性が罹患しているというのが子宮系のがんの特徴です。ただし、乳がんなどに比べると死亡数は低く、早期発見と早期治療がとても大切といわれています。
子宮頸がんの原因とは
子宮頸がんのほとんどは、HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルス感染が原因であるといわれています。ヒトパピローマウイルスの感染は性交渉によって起きるものであり、性交経験のある女性なら誰でも感染するリスクがあります。
ただし、感染したからといって全員が子宮頸がんを発症するわけではありません。
ほとんどの人は免疫によってウイルスは自然に排除されます。自然治癒しなかった人ではウイルスががん化することもあり、子宮頸がんの進行へと繋がります。
子宮頸がんの症状
早期の子宮頸がんでは自覚症状がないといわれています。つまり、検診を受けていないと気づきにくい病気です。
がんが進行すると、おりものの異常や不正出血、下腹部の痛みなどが現れます。
もしかしたら、これらの症状は生理痛であったり、ちょっとした身体の不調として見逃してしまっているかもしれません。日頃から自身の身体の変化に着目し、少しでもおかしいと感じたときは婦人科を受診するのが良いかもしれません。
子宮頸がん予防に大切な定期検診
ヒトパピローマウイルスは、異形成といわれる前がん病変の段階を経て、約数年かけて子宮頸がんへと進行します。
定期検診を受けていれば、がんの前段階で発見できます。前段階で発見できれば治療によって、完治できる可能性も高いといわれています。だからこそ、定期検診、早期発見、そして早期治療が大切なのです。
子宮頸がん予防に有効なHPVワクチンを正しく知ろう
子宮頸がん予防には、定期検診だけではなくHPVワクチンも有効といわれています。しかし、HPVワクチン接種の副反応により、接種部位の痛みや腫れ、運動障害が報告されたこともあり、日本では接種が進んでいない状況です。
しかし、HPVワクチンが子宮頸がん予防に有効であることは証明されているので、有効性や副反応について正しく知り、接種について考えていくことが大切ではないでしょうか。
2023年4月以降早い段階で、より効果が高いと言われている9価ワクチンの公費による定期接種が始まります。定期接種は年齢の制限などもあるため、詳しくは、厚生労働省による発表を待ちましょう。
子宮頸がんから自分を守るセルフケア
子宮頸がんから自分を守るには、有効性が証明されているHPVワクチン接種、そして定期検診が何よりも大切と言われています。
「性交時にコンドームをつけているから大丈夫」と思う人もいるかもしれませんが、コンドームだけではHPVウイルス感染を予防することはできません。
子宮頸がんはがんの中でも唯一予防のできるがん。HPVワクチンについても深く理解し、接種することで罹患リスクを下げられます。また、ワクチンを接種したからといって、安心せずに定期検診を受けることも大切です。
もうすぐ「4月9日」。自分の子宮を子宮頸がんから守れるのは自分だけです。ワクチン接種の必要性や定期検診の大切さについて考え、子宮頸がん予防の選択をできるように意識したいですね。