ホルモンバランスが乱れ、体にさまざまな不調が現れる更年期。症状の重さには個人差がありますが、更年期の症状と上手く付き合う方法の1つが「食習慣の見直し」です。バランスのよい食事を取ることで、更年期の症状を緩和できる可能性があります。この記事では、更年期に摂取すべき食品と避けるべき食品について詳しく解説します。更年期の不調を感じている方は、まずは食事でセルフケアしましょう。
更年期とホルモンバランス
更年期とは、閉経の前後10年間の時期を指します。閉経が55歳の場合、50〜60歳あたりが更年期です。更年期の不調は、女性ホルモンであるエストロゲンを分泌する卵巣と、分泌を指示する脳のバランスが崩れることによって引き起こされます。
通常はエストロゲンの量が少なくなると、脳が卵巣に指示することで分泌量は保たれます。しかし、更年期は卵巣機能が低下し、脳が卵巣に指示を出してもエストロゲンの分泌量は増加しません。この状態が続くことで、ホルモンバランスや自律神経が乱れ、体に不調が起こります。
更年期は食習慣の見直しが大切
更年期は、多くの女性が経験します。更年期の症状は、疲れやすさや肩こり、ホットフラッシュなどさまざまです。 加齢はどの方にも等しく起こるため、エストロゲンの分泌量を若い頃と同じ量に戻すことはできません。ただし、日々の食習慣を見直すことで、エストロゲンの減少による体の不調を緩和できる可能性があります。バランスのよい食習慣を意識して、更年期を乗り切りましょう。
摂取すべき栄養素と食品
まず、更年期に摂取すべき栄養素と食品について解説します。どのような栄養素を摂取するのがよいか確認して、日々の食事に取り入れましょう。
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは大豆の芽になる部分に多く含まれる、フラボノイドの1種です。エストロゲンと形が似ているため、同じ様な働きをするとされています。その名の通り、大豆を使った多くの食品に含まれています。大豆や豆腐、おからなどを積極的にとりましょう。みそや豆乳にも含まれるので、忙しい時には、みそ汁やパックの豆乳などの飲み物でとるのもおすすめです。
ビタミンE
年齢を問わず、ビタミンは重要な栄養素ですが、ビタミンEはホルモンバランスの調整に関わるため、特に重要です。ホルモンバランスの調整をサポートすることで、更年期を乗り切るのに役立つことが期待できます。アーモンド、カボチャ、ほうれん草、ウナギ、卵など幅広い食品に含まれるので、食生活に合わせて取り入れましょう。
カルシウム
エストロゲンの分泌量が減少すると、骨密度が下がり骨粗鬆症のリスクが増加します。そのため、更年期には骨の主成分となる「カルシウム」を摂取することが大切です。カルシウムは、じゃこや鮭などの魚類やヨーグルトやチーズなどの乳製品に多く含まれています。
更年期に避けるべき栄養素や食品
更年期に「何を食べるか」も重要ですが、「何を控えるべきか」を考えて食事を取ることも同じぐらい大切です。更年期には、脂質、炭水化物、塩分のとりすぎに注意しましょう。
更年期は体全体の代謝が下がるため、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの生活習慣病のリスクが高まります。脂質、炭水化物、塩分は生活習慣病の発症率を上げてしまうので、とりすぎないように意識することが大切です。以下の食品をとる量に気を付けましょう。
脂質を多く含む食品…肉の脂身、バター、生クリームなど
炭水化物を多く含む食品…米、麺類、甘いお菓子類など
塩分を多く含む食品…漬物、塩辛など
食習慣を見直して更年期を元気に乗り切りよう!
更年期の食事について、積極的に取り入れたい食品と避けるべき食品を紹介しました。食習慣で最も大切な点は、バランスのよい食事を取ることです。体にいいからといって、特定の食材ばかりを食べ続けると栄養バランスが偏ってしまいます。
更年期には、体にさまざまな症状が出て、大きな病気にもかかりやすくなる時期です。体調がすぐれないと感じたら十分な休息を取ることが大切です。病気の予防のためにも、食習慣が乱れている方は見直して更年期を元気に乗り切りましょう。