2023/11/12 生理のたびに腰痛がつらい!原因と対策方法をご紹介

生理前や生理中は、腹痛や頭痛などの痛みを伴うことがあります。なかでも、とくに腰痛がつらいという人が多くいらっしゃるようです。今回は、生理のときに腰痛が起きるメカニズムや原因、対処法について解説していきます。生理のたびにやってくる腰痛にお困りの方は、ぜひ、本記事を参考にしてください。

 

生理のときに腰痛が起きるメカニズム

生理前は、多くの女性が精神的または身体的な不調を抱えます。その原因はPMS(月経前症候群)です。女性ホルモンのバランスが急激に変動するために起こるといわれています。PMSにより腰痛が出ることもありますが、生理の開始とともに、症状がおさまることが多いです。 主にプロゲステロンとリラキシンという2つのホルモンの影響だと考えられます。この2つのホルモンの働きについて、お伝えしていきます。

 

プロスタグランジンの働き

身体が妊娠をしなかったことで不要になった子宮内膜が剥がれて、血液と一緒に排出されるのが生理です。プロスタグランジンは、経血の排出を促すために子宮を収縮させる働きをします。プロスタグランジンは、子宮だけではなく血管も収縮させるので、身体の冷えにもつながりやすくなります。

リラキシンの働き

リラキシンは卵巣から分泌されるホルモンで、月経前や妊娠中に分泌量が増えます。リラキシンには骨盤を開く働きがあり、出産時には赤ちゃんが産道を通りやすくする役割があります。生理の際には、骨盤を開くことによって、経血をスムーズに排出させるのに役立つのです。

このように、生理中には2つのホルモンが経血の排出を助ける働きをしているのです。

腰に痛みを感じる理由

次に、プロスタグランジンとリラキシンの働きによって、痛みを感じる理由について解説します。

プロスタグランジンが分泌されると、子宮だけでなく周りの血管も収縮します。
それにより、子宮周りの血流が悪くなり、腹痛や腰痛が起こるのです。血液は、体内を循環しながら、酸素や栄養分を全身に運んだり、老廃物や痛みの原因となる疲労物質を身体の外に出したりする役割があります。血流が悪くなると、老廃物や疲労物質が身体にたまりやすくなり、痛みのもとになります。
また、リラキシンにより、骨盤がゆるむと骨盤全体が不安定になります。骨盤をささえる筋肉に負担がかかり、腰痛につながることや、骨盤内を通る神経が圧迫されて痛みを感じることがあります。

加えて、デスクワークなど座りっぱなしの生活で血行不良が起きていたり、姿勢が悪く骨盤にゆがみが生じたりしていると、腰痛が起きやすくなります。

 

腰痛の対処法

生理のたびに腰痛に悩まされるのは辛いですよね。ここからは、セルフケアで出来る対処方法をご紹介します。

 

身体を温める

生理中、プロスタグランジンが血管を収縮させるため、身体が冷えやすい状態にあります。そこで、身体を温めて血流をよくすることを意識しましょう。
ブランケットを使用するなど、お腹や腰回りを冷やさないようにしてください。寒くなる季節には、カイロを使用するのもおすすめです。また、じっくりと湯船につかると、身体が温まるほか、リラックスにもなります。
デスクワークが多い場合は、定期的に立ったり、伸びをしたりするなど姿勢を変える工夫を。
長時間同じ姿勢でいると、血流が悪くなってしまいます。生理中はできるだけ冷たい飲み物を避けて、温かい飲み物がおすすめ。ショウガなど身体を温める食材も積極的に取り入れましょう。

運動をする

骨盤まわりの筋肉を鍛えることもおすすめです。骨盤まわりの筋肉の衰えは痛みにつながることがあります。
日常生活の中で、なるべく歩く機会を増やしたり、階段を利用したりするなどの工夫をして、筋肉を鍛えましょう。普段の姿勢も大事です。姿勢が悪いと骨盤のゆがみにもつながりますので、注意してください。 生理中でもヨガやストレッチなど、運動することよって、血行がよくなり腰痛対策にもつながります。無理のない範囲で身体を動かすことを意識しましょう。

痛みが酷い時には、婦人科受診を

痛みが続く場合には、鎮痛剤を活用してもよいでしょう。薬が効かないほどの強い痛みがある場合には、我慢せずに婦人科を受診してください。子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が潜んでいる可能性があるからです。
生理を問わず、腰痛がある場合には骨や筋肉などに問題が生じている場合もありますので、整形外科を受診するのもよいでしょう。

また、生理によって日常生活に支障をきたすほどの痛みや症状が出る場合には、月経困難症の可能性もあります。月経困難症には、プロスタグランジンの過剰分泌の他、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気による場合など、様々なケースがあります。いずれにせよ、婦人科で診てもらうことをおすすめします。低用量ピルの服用で、症状を改善できることもありますので、「生理は病気ではないから」と我慢しすぎずに専門家のアドバイスを受けましょう。

 

対策をしながら上手に腰痛と付き合おう

生理に伴う腰痛に悩まされている方は少なくありません。痛みの主な原因は、ホルモンの作用によるものですが、温めたり身体を動かしたりして、ことによって血流をよくすることが、対策につながる可能性があります。日頃から、身体を動かして腰回りの筋肉が衰えないようにすることも大切です。生理のたびに起こる腰痛は悩ましいものですが、上手に付き合っていきましょう。
また、日常生活に支障をきたすほどの痛みは、なんらかの病気が潜んでいる可能性もありますので、我慢しすぎずに婦人科を受診しましょう。