2024/07/04 生理前や生理中に眠くなるのはなぜ?原因や眠気の対策法は?

「生理前や生理中に眠くなる...」そういう経験がある方も多いのではないでしょうか。生理中は日中に、抗えないほどの眠気に襲われることや、頭がぼーっとしたことがあるという方が多いようです。
そこで今回は、生理前や生理中の眠気の原因や対策方法についてご紹介していきます。

生理前や生理中に眠くなる原因

夜の睡眠時間を確保しているにも関わらず、生理前や生理中は日中に眠気が襲ってくることがあります。その原因は何なのでしょうか。順に詳しくみていきましょう。

ホルモンバランスの変化

女性の体は、生理周期に合わせてホルモンバランスが変化します。

女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類がありますが、排卵後から生理前までの2週間は、プロゲステロンの分泌量が増える時期です。このプロゲステロンが分解されると、アロプレグナノロンというホルモンが発生します。

アロプレグナノロンは、眠気を起こす作用があるので、生理前や生理中の眠気の原因のひとつと考えられます。

基礎体温の変化

プロゲステロンは、妊娠を維持する役割があります。その働きのひとつとして、排卵後、基礎体温を上げるはたらきをします。そのため、排卵後から生理までの時期は、他の時期より体温が約0.3~0.6度高い状態になります。

私たちの体は、体温が下がると眠くなるようにできていますが、この時期は、基礎体温が高いため、眠りづらくなったり、眠りの質が下がったりします。その影響で、日中に眠くなると考えられます。

生理で眠くなったときの対策方法

生理の影響で、日中に眠くなってしまったときの対策方法についてみていきましょう。

仮眠をとる

生理中は、気を抜くと眠ってしまいそうなほどの強い眠気に襲われることもあるでしょう。そのようなときは、無理をせずに15分程度の仮眠をとるのがおすすめです。

ただし、長く寝すぎてしまうと、深い眠りに入ってしまい、すっきりと目覚めるのが難しくなります。30分以上眠らないように注意しましょう。なお、職場でデスクに座った状態での仮眠もおすすめです。

コーヒーなどカフェインを取る

眠気には、カフェイン入りの飲み物を飲むというのも手軽にできる対策です。コーヒーをはじめ、紅茶や緑茶にもカフェインが含まれています。

また、コーヒーと仮眠を上手に組み合わせる方法もあります。広島大学の研究チームは、仮眠の直前にコーヒーを飲むと、起きた後のパフォーマンスが良くなるとの結果を発表しました。大手コーヒーメーカーなどが「コーヒーナップ」として紹介しています。

しかし、夕方以降のカフェインの摂取は、夜の睡眠の妨げになる可能性もありますので、控えましょう。

軽く体を動かす

座ったままの体勢を続けていると、眠気を感じやすくなります。軽く体を動かしてみるとよいでしょう。
体を動かすと脳への刺激となり、眠気の軽減が期待できます。ストレッチや、背伸びなどの簡単な動きでも構いません。トイレに立つ、飲み物を入れるなどの動作も、刺激になります。

生理中の眠気に備える方法

生理中の眠気は、生理周期のホルモンバランスが影響しているため、完全に眠気を避けるのは難しいでしょう。しかし、眠くなる時期の睡眠の質をあげることで、日中の眠気を軽減できる可能性があります。
ここでは、生理中の眠気に備えるためにできることをご紹介していきます。

日光を浴びる

睡眠には、夜間に分泌されるメラトニンというホルモンが関係しています。そのメラトニンの原材料は、日中に分泌されるセロトニンです。

セロトニンは日光を浴びることで分泌されると言われています。動物実験では、セロトニンの分泌量が増えると、夜間に分泌されるメラトニンの分泌量が増えることがわかっていますので、質のよい睡眠のために日光浴を取り入れましょう。

また、朝起きたら、太陽の光を浴びることも質の良い睡眠につながります。朝日を浴びるとセロトニンが分泌されて体内時計がリセットされるとされています。

運動する

さまざまな疫学的調査で、運動の習慣がある人には、不眠が少ないことがわかっています。運動の習慣がない人は、まず、軽めのウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を定期的に行うとよいでしょう。

効果的なのは、睡眠の3時間前くらいの時間帯の運動といわれています。忙しくてなかなか時間が取れない方は、ひと駅分歩く、階段を使うなど、日常生活の中で工夫するのもおすすめです。

お風呂でリラックス

お風呂にゆっくりつかってリラックスし、眠る準備をしましょう。
本来、人間の体は体温が下がることで眠気が生じますが、生理前や生理中は普段より体温が高い状態のため、入眠のスイッチが入りにくい状態です。

お風呂からあがったあと、温まった手足から熱が放出されていくのにともなって、体温が下がっていきます。それによって、眠気が生じ、スムーズに入眠しやすくなります。

生理の眠気対策には、夜の睡眠の質をあげることも大事

今回は、生理前や生理中の眠気について、原因と対策法をご紹介しました。 眠気の原因は、生理周期によるホルモンバランスの変化によるものです。夜の睡眠の質を高めることを意識し、無理しないように過ごしましょう。