2023/04/18 【管理栄養士監修】知っておきたい、生理中でも快適に過ごすために欠かせない栄養素

多くの女性の体に、訪れる生理。
体にとって必要なサイクルではあるものの、生理前後や生理の最中に、体にどんな変化が起きているかはご存知ですか?なんとなく生理前や生理中に起こる不調をそのままにしていませんか?
ホルモンバランスや、どんな食事(栄養素)を摂ればいいのか知る・実践することで、あなたの体の負担も解消できるかもしれません。

そこで今回は、生理にまつわるホルモンバランスと栄養素についてご紹介します。

 

生理とホルモンバランス

女性ホルモンには2種類あります。

エストロゲン(卵胞ホルモン)
排卵日前に分泌量が増えるホルモンで、女性らしい体づくりを助け、子宮内膜の肥厚(妊娠の準備)などの働きをします。

プロゲステロン(黄体ホルモン)
排卵日後に分泌量が増えるホルモンで、乳腺の発達や水分の取り込み、食欲増進などの働きをします。

これら二つの女性ホルモンの分泌量が1ヶ月を通して変化することで、生理の誘発や妊娠といった体の変化が起こります。

 

生理前におすすめの栄養素と食材

生理前はプロゲステロンの分泌量が増えることで、むくみや食欲増進、体重増加などの変化が。そこで、次の3つの栄養素や食材を積極的に摂ることで症状を緩和することができます。

 


①カリウム

体にため込んだ水分を体外に排出するために必要な栄養素で、野菜や果物に豊富に含まれています。
一般的にカリウムは水溶性のミネラルであり、普段の食事で加工食品や加熱処理した料理ばかりを食べる場合は不足している可能性が。
生理前で体のむくみが気になる方は、積極的に食べるようにしましょう。

カリウムを豊富に含む食材
バナナ、キウイ、トマト、きゅうり

また、 野菜に含まれるカリウムを余すことなく取り入れるために、スープや味噌汁などの調理方法もおすすめです。

②根菜・芋類

生理前の食欲に負けないために、しっかり咀嚼する料理を準備しましょう。根菜類や芋類は野菜の中でも硬く、しっかり噛んで食べることで満腹中枢を刺激することができます。
また、生理前はホルモンバランスの関係で便秘になりがち。そこで、食物繊維を豊富に含む根菜・芋類をしっかり食べることで、腸内環境を整えてしっかり排便できるようにしましょう。

おすすめの根菜・芋類
ゴボウ、レンコン、かぼちゃ、さつまいも

③ビタミンB6

ビタミンB6は三大栄養素の代謝に関わるビタミンであり、マグネシウムなどと一緒に生理前症候群(PMS)の解消に一役買っています。
実際に、生理前になると血液中のビタミンB6濃度が低下し、イライラなどの症状を招いていることも明らかになっており、ビタミンB6を補うことを推奨しています。

おすすめのビタミンB6食材
玄米(未精製穀類)、豆類、バナナ、赤身魚、ヒレ肉

生理中におすすめの栄養素と食材

生理中は貧血やイライラといった精神的に不安定な状態が起こります。特に精神面はホルモンバランスが大きく影響するので、しっかりと自分自身を体の内側からケアしてあげる必要があります。
貧血予防やイライラの解消のためにおすすめの栄養素と食材をご紹介します。

 

①鉄

血液の材料ともなる鉄分は、生理中に不足しやすくなります。鉄が不足すると、全身に巡る血液の量が足りなくなり、酸素不足による立ちくらみや貧血を招きます。鉄分を豊富に含む食事や、サプリメントで補うようにしましょう。

鉄分を豊富に含む食材
レンズ豆、ほうれん草、大豆、赤身肉、ケール、海藻類

植物性食材に含まれる鉄分は非ヘム鉄と呼ばれ、動物性食材に含まれるヘム鉄よりも吸収率が低くなりますが、ビタミンCと一緒に食べることで吸収率を高めます。さらに鉄鍋など鉄を使った調理器具を使うことで、鉄の摂取量が増えるのでおすすめです。

②マグネシウム

マグネシウムはミネラルの一つで、神経系に作用するので精神安定効果があります。 現代の食事(加工食品、インスタント食)では、マグネシウムが不足しやすくなってしまいます。

マグネシウムを豊富に含む食材
アーモンド(ナッツ類)、玄米などの未精製穀類、海藻、魚介類

日頃から食のセルフケアを

女性のカラダには月ごとのみならず一生を通してさまざまな変化が訪れます。 そのほとんどに女性ホルモンが関わっており、規則正しいホルモン分泌や、体の変化のコントロールには日常の食生活が大切です。
特に今回ご紹介した栄養素を意識して摂ることで、生理中でも心地よい暮らしを送りましょう。

食事は最も大切で、誰でもトライできるセルフケア。ぜひ日々の暮らしの中で自分を見つめてみてはいかがでしょうか?