2024/04/17 生理について誤解していませんか?男性も正しい知識を身につけよう

「生理は毎月同じ日に来るもの」「生理中は妊娠しないから避妊しなくてもいい」など、生理に関して誤った認識をもっている男性は少なくありません。女性の健康について基礎的な知識を身につけることで、相手を思いやった言動がとれるようになります。

そこで今回は、生理に関してよくある誤解や、正しい基礎知識についてご紹介します。生理を正しく理解して、男性も女性も支え合える社会をつくりましょう。

そもそも生理とは?

女性の身体は妊娠に備えて、毎月の排卵に合わせて、「子宮内膜」を膨らませ、胎児のためのベッドを作ります。しかし妊娠が成立しないと子宮内膜は不要となるので、体外に排出されます。

子宮内膜が剥がれ落ちて、血とともに体外に排出される現象を「生理(月経)」といいます。生理はおよそ1ヶ月に1回のペースで、数日間にわたって発生します。

生理にまつわる5つの誤解

生理についての理解は、人によって異なります。ここからは生理にまつわる誤解について、いくつかピックアップしてご紹介します。

【誤解①】生理は毎月同じ日に1日だけ起こる

生理は約1ヶ月に1回の頻度で、数日間にわたって起こります。1回の生理は3~7日程度続くので、1日だけで終わるというのは誤解です。また生理が終わってから次の生理が始まるまでの期間にも個人差があり、毎月同じ日にくるわけではありません。

【誤解②】出血は自分でコントロールできる

「経血は尿のようにコントロールでき、トイレで自分の意思で出すもの」と考えている男性もいます。しかし出血はトイレに行くまで我慢できるものではなく、出血のタイミングも量もコントロールできません。そのため女性は生理時にナプキンを使用し、こまめに交換する必要があるのです。

【誤解③】生理中は避妊しなくても絶対妊娠しない

「生理中は妊娠しないので、避妊せずに性行為できる」というのは誤解です。生理中でも妊娠する可能性はあり、避妊は必要です。また生理中は出血しているうえに粘膜などが弱っているので、感染症などのリスクが高まっています。そのため、生理中の性行為は控えるのが無難です。

【誤解④】生理前や生理中の不調は気のせい、生活が乱れているだけ

生理に伴う不調は体質で起こるもので、気のせいや生活の乱れで起こるものではありません。生理前の3~10日くらいの間に生じる心身の不調のことを、PMS(月経前症候群)といいます。PMSには、以下のような症状があります。

  • 気分の落ち込み
  • イライラ
  • 涙もろくなる
  • 気分の落ち込み
  • 集中力が低下する
  • 頭痛
  • 下痢、便秘
  • 気持ち悪さ
  • お腹の張りや痛み             など

PMSの症状や程度には個人差があるものの、学校や仕事に支障が出るほど症状が重い方もいます。PMSを軽視せず、不調の理由を周囲の人がしっかり理解しようとする姿勢が大切です。

【誤解⑤】生理痛は病気ではないので、我慢すべき

「生理には生理痛がつきものだ」「女性は生理痛に慣れているから心配ない」などという誤った考え方を持つ人がいるかもしれません。しかし人によっては、生理痛は仕事や学業に支障が出るほどひどいケースもあります。

生理痛は、子宮が経血を押し出そうと収縮する際に、プロスタグランジンと呼ばれる物質が分泌されることで起こります。生理中にはプロスタグランジンの影響で、生理痛以外に以下のような症状が見られることもあります。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 便秘
  • 疲労感             など

生理中は、痛みだけでなく、他の症状が同時に起こることも少なくありません。そのため生理中の女性が体調悪そうにしていたら、何かできることはあるか声をかけてみるなど、気持ちに寄り添った配慮が大切です。

男性も生理を正しく理解しよう

昔は「男性が生理について語るのはタブー」といった風潮があったかもしれません。しかし現在では、性教育や社内研修などで、男性が女性の健康について学ぶ機会が増えています。男性も女性の健康に関する基礎的な知識を身につけ、相手を思いやる気持ちをもつことが大切です。

女性の健康問題に関する理解が深まれば、職場での配慮が広がり、女性が働きやすい環境づくりが進むでしょう。女性を含む社員一人ひとりの仕事パフォーマンスが上がれば、結果として生産性アップにつながります。

ただし生理やPMSの状態や程度には個人差があるため、決めつけるような言動はNGです。まずは生理に関する誤解をなくし、自分に何ができるのかを考えることこそが、周りの女性を支える大きな1歩になります。

生理に関する誤解をなくして女性が生きやすい社会へ

今回は、生理に関しての誤解や、正しい基礎知識についてご紹介しました。生理に関して誤解が多いままだと、女性は生理の悩みを周りに言いづらく、さまざまなことを我慢してしまうでしょう。男性が女性の健康について正しく理解することで、男性も女性も生きやすい社会につながるはずです。