2023/09/06 PMSと寝不足の因果関係は?睡眠の質が下がる原因や対処方法もご紹介

月経の前にさまざまな身体症状や精神症状が現れるのがPMS(月経前症候群)です。PMS期間になると、眠気や睡眠障害が現れる方もいます。実はPMSは、睡眠の質に大きな影響を与えます。

今回の記事では、PMSと寝不足の因果関係や、気をつけるべきポイントなどについてご紹介します。PMS期間の寝不足にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

PMS期間は睡眠の質が下がりやすい

PMS(月経前症候群)とは、月経の3~10日ほど前から生じるさまざまな不快症状のことです。PMSの症状には、以下のようなものがあります。

・イライラ
・憂うつ
・過食
・頭痛
・便秘
・肌荒れ など

また、PMSの症状には睡眠に関するものもあり、黄体期の後期になると以下のような睡眠に関する症状が出ることが多いです。

・日中、強い眠気に襲われる
・夜、寝つきが悪くなる
・眠りが浅く、夜中に目が覚める

PMSがある女性は夜の睡眠が浅く、寝不足になりやすい一方で、昼は眠気があり、物事に集中しづらくなりがちです。

 

PMS期間に睡眠の質が下がる原因

PMSの期間に睡眠の質が下がる原因は、まだ明らかにはなっていません。ここからは、睡眠の質が下がる原因として示唆されていることをご紹介します。

 

女性ホルモン分泌の変化

PMS期間に睡眠の質が下がる原因として挙げられているのは、女性ホルモンの変化です。排卵から月経までの期間には、以下2つの女性ホルモンが多く分泌されます。

人間の身体の奥深くの体温(深部体温)が低くなると眠くなります。深部体温は手足を通して熱を放出することで下がるため、皮膚や手足の体温は上昇します。皮膚や手足の体温上昇が早いほど、ぐっすりと深い眠りにつきやすいのです。

しかし排卵後から月経が始まるまでの約2週間は「黄体期」と呼ばれ、女性ホルモンの1つであるプロゲステロンの分泌が増加します。同時にプロゲステロンの作用により、体温が通常より0.3~0.6度ほど上がるため、「高温期」とも呼ばれます。

そのため、就寝前になっても深部体温の高い状態が続き、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりするのです。夜間に質の高い睡眠がとれないことにより、日中に眠気が生じ、集中力が下がりやすくなります。

血糖値の上昇

プロゲステロンはインスリンの効きを悪くするとされており、血糖値が上昇しやすくなる可能性があります。血糖値の急激な上昇が原因となって、睡眠の質が低下することも示唆されています。

メラトニン分泌の変化

エストロゲンやプロゲステロンの変化は、他のホルモンや神経伝達物質の分泌に影響を及ぼしていることも示唆されています。特に、PMSのなかでも精神症状が強く表れるPMDD(月経前不快気分障害)の場合、眠りに導く「メラトニン」と呼ばれる物質の分泌が乱れるとの報告もあります。

普段から寝不足だとPMS症状がひどくなるかも!

PMSの影響で寝不足が生じる一方で、寝不足がPMS悪化の原因になる可能性もあります。女性ホルモンの分泌を司る卵巣に指令を出すのは、脳の視床下部や下垂体と呼ばれる部分です。

日頃から睡眠不足によって脳の機能が乱れていると、視床下部・下垂体から卵巣への指令が上手くいかず、女性ホルモンのバランスも乱れやすくなります。その結果、PMSの諸症状の悪化や睡眠の質低下につながる可能性も考えられるのです。

このような悪循環を食い止めるために、普段から十分な睡眠をとって生活リズムを整え、女性ホルモンの分泌を正常にすることが大切です。

 

PMSによる寝不足を和らげるために気をつけるべきポイント

PMSによる寝不足を和らげるには、質の高い睡眠をとるために工夫することが大切です。1日の体温のメリハリがある黄体期以外の間に睡眠リズムを整えて、PMS期間に備えましょう。ここからは、質の高い睡眠をとるために気をつけるべきポイントについてご紹介します。

 

アロマテラピーでリラックスする

寝つきを良くするために、就寝前に枕元でアロマを焚いたり、湯船に垂らしたりするのがおすすめです。アロマテラピーには、気持ちを落ち着かせたりイライラを和らげたりして、心をリラックスさせることが期待できます。

リラックスする香りとして知られる、ラベンダーやカモミールの香りがおすすめです。気分をリフレッシュさせるためには、グレープフルーツやオレンジなど柑橘系の香りも良いでしょう。好みの香りを見つけて、就寝前に試してみてください。

毎朝同じ時間に起きる

質の高い睡眠をとるためには、毎日同じ時間に起床して日光を浴びるのがポイントです。日光を浴びると体内時計がリセットされ、夜に自然と眠たくなります。普段から睡眠リズムをしっかり整えれば、PMS期間も眠りにつきやすい状態につながっていきます。

PMSと寝不足の因果関係を理解して、身体のリズムを整えよう

今回の記事では、PMSと寝不足の因果関係や、気をつけるべきポイントなどについてご紹介しました。PMS期間はホルモンバランスの変化により、寝不足に陥りやすいです。普段から睡眠リズムを整えて、PMSと上手に向き合っていきましょう。