2022/09/10 zen placeに学ぶ、ピラティスで骨盤底筋を鍛える4つのメリット

PMS、頻尿・尿もれ、お腹ぽっこり……。加齢と共に現れる女性特有の身体の不調や悩みは、妊娠・出産や長年の生活習慣、筋肉の衰え、更年期などを通して、骨盤底筋の機能が低下することが主な要因と考えられています。
まさに今、悩んでいる方も、未然に防ぎたい方も、自分自身と向き合って少しでも早く対策を取れるとよいのではないでしょうか。
骨盤底筋の機能低下に対して有効だといわれているのが骨盤底筋トレーニングです。

今回は、2006年4月のオープン以来、多くのクライアントと向き合ってきた「zen place pilates 中目黒スタジオ 」の骨盤底筋レッスンについてお話しを伺いました。
骨盤底筋に意識を向けるコツや、骨盤底筋を鍛えることによって得られるメリットなどをお聞きします。

 

子宮や膣を支える骨盤底筋の役割

骨盤底筋とは、骨盤の底部にあるハンモック状筋肉と靭帯のことで、膀胱・子宮・膣・直腸などの骨盤内の臓器を支える重要な役割を果たしているものです。骨盤の底でそれらの内臓を支えている筋肉群のことをまとめて骨盤底筋群と呼びます。

女性の骨盤底には前側から順に尿道、腟、肛門という3つの穴があり、骨盤底筋はこの3つの周囲を8の字に巡っていて、その伸縮で排尿や排便をコントロールしています。

 

骨盤底筋の衰えによって生じる不調

骨盤底筋が衰えると、姿勢・骨盤に歪みが生じるため、体型が崩れるだけでなく女性ホルモンとの関係から生理不順や月経前症候群(PMS)への影響、それに伴うさまざまな不調に発展します。 腰痛や肩こりなど、全身のトラブルの原因になることも。

また、出産によって骨盤底筋が伸びたり断裂したりして大きなダメージを受け、神経が急激に引き延ばされて損傷する可能性もあるのです。神経が損傷すると、筋肉がうまく働かなくなって萎縮し、筋肉の支えを失った靭帯や筋膜は強度がなくなります。
そうすると日常生活におけるくしゃみや咳などで少し腹圧をかけるだけでも、臓器が下垂しやすい状態になるのです。

パワーハウスとは?

ピラティスでよく耳にする「Powerhouseパワーハウス)」という言葉は、腹部から骨盤にかけての身体の中心部分を意味しています。

創設者のジョセフ・ピラティス氏が名づけ、美しい姿勢を保ち、正しく身体を動かすために必要なものと位置づけられており、人間は美しく正しい姿勢と、深い呼吸法によって、脊髄や腹筋を安定させることが可能になるのです。パワーハウスはインナーマッスルの中でも重要な部分とされ、ピラティスでは特にこの存在を重視しています。

ピラティスによってパワーハウスが正しく機能すると、脳からの伝達が素早く正確に筋肉に伝わるようになります。手足を効率良く動かせるようになれば、日常生活での動作がスムーズになるだけでなく、スポーツでのパフォーマンス向上も期待できるでしょう。

 

パワーハウスを構成する4つの筋肉

パワーハウスはその名の通り、コアを支える家のような役割を果たしています。パワーハウスを構成する主な筋肉は、次の4つです。全ての筋が共同して働くことで腹圧を高め、スタビリティー(安定性)が向上するとされています。

 

1. 横隔膜(屋根)

ドーム状の薄い筋肉でできた膜で肺や心臓の下あたりに位置します。腹部との境目にあるので、呼吸と深い関わりを持っていると考えられています。

2. 腹横筋(壁)

背中の椎骨を繋ぎ、脊椎を形成しているのが腹横筋です。運動時に背骨を微調整し、背骨のS字カーブを維持して背中や腰を守っています。

3. 骨盤底筋(床)

体幹の中で最も下部にあるのが骨盤底筋です。骨盤や内臓を支える働きを担っています。

4.多裂筋(大黒柱)

脊柱(背骨)に付着している細かい筋肉。呼吸を行う時に1~3を意識する事で大黒柱が安定し、運動時のパフォーマンス向上につながります。

骨盤底筋を鍛えてほしいのはこんな人

骨盤底筋を鍛えていただきたいのはこんな悩みをお持ちの方です。

 

1.下腹部のポッコリが気になる方

骨盤底筋が緩み内臓を支えられなくなると、内蔵が下腹部まで下がってしまいます。そのため見た目が太っていなくても下腹部がポッコリ見えがち。骨盤底筋が緩んでいるサインを認識しておくとよいでしょう。

2.尿漏れが気になる、予防しておきたいという方

骨盤底筋が緩むと尿管も一緒に緩んでしまうことがあります。例えばくしゃみや咳をする、重いものを持つと腹筋に力がかかってしまうので尿が漏れてしまうことも。これも骨盤底筋の緩みが原因といわれています。

3.腰痛に悩まされている方

腰痛の原因の1つとして挙げられるのが、姿勢の悪さです。骨盤底筋を鍛えると本来の姿勢へと改善されていくと共に、腰痛の緩和にもつながるといわれています。

近年、リモートワークへの切り替えによって、朝から夕方まで前かがみの姿勢でパソコンに向かうという方も増えています。
このワークスタイルは骨盤に負担がかかり、腰痛になる可能性も。普段から長い時間、同じ姿勢で仕事をしている方は骨盤や骨盤底筋の負担も頭に入れておくと良いでしょう。

4.産後の体形維持をしたい方

妊娠すると日に日にお腹の中で大きくなる赤ちゃんを骨盤全体で支えることもあり、体重も増加し骨盤底筋が伸びます。骨盤が緩い状態が続くと、頻尿や下腹部の膨らみに悩まされます。
産後の検診で母体のコンディションが順調であれば、隙間時間にピラティスなどで骨盤底筋を鍛えてみましょう。

エデュケーターが語る、骨盤底筋トレーニングで日本の未来を変える

「1回きりのレッスンでは効果が分かりにくいので、何度か続けて受けてみてほしいです。
ある日突然、これが骨盤底筋か!と実感する日が来るはずだから。」
と話すのは、骨盤底筋レッスンを考案し、自ら指導するYoko.Mさん。

 

10年前に月経カップに出会い、自分自身の生活に取り入れてみたものの、膣が広がって本来の機能を失っている気がしたんです。

そこから関心を持ち始め、戦時中の生理用品といえば今ほどの便利なものはなく、新聞紙を小さく丸めて擦り合わせて置いていただけだったと聞いて…。
ナプキンなどに頼ることなく、自分で経血量をコントロールできていた時代があるとすれば、現代女性の機能は退化してしまったのかも?と思うようになりました。

私自身も妊娠・出産を経験する中で、女性特有の身体の変化について興味を持ち、産前産後、妊活中の方への指導を積極的に行なっています。
とにかく私のレッスンを受けにきてくれることが一番!差し支えなければ、どういう悩みや症状があるかを教えてほしいですね。特に産後は身体がズタズタ、ボロボロ、関節もゆるゆるになっているので、骨盤底筋がうまく機能していないのが現状。

だからこそ、産後にピラティスを受けてもらうと実感しやすいし、身体を戻しやすいと思います。
子宮があり卵巣があり、女性自身を司る大切な場所。人間がひとり育って誕生するくらいですからね。女性の身体はより強さも柔軟性も必要なんです。
人生のあらゆる変化に対応していけるような、心と身体づくりを目指しています。一人でも多くの女性の骨盤の状態が良くなれば、日本の未来も変えられるのでは!?そんな希望を持って、今もなお学び続けています。

 

現在zen placeで開催されるスタジオレッスンは全てオンライン受講が可能で、日本全国から妊婦さんも多く参加しているそう。(出産当日まで受講する人もいるとか!)

いつでもどこでも誰でもかんたんに始めることができるトレーニング。だけど実はとても奥が深い骨盤底筋の世界。まずは骨盤底筋を動かす感覚を身につけることからはじめてみては?
今抱えているその悩みも、ひょっとしたら骨盤底筋のしわざかもしれません。

 

国内シェアNo.1「zen place」とは

zen placeは全国100店舗以上、国内ピラティススタジオ数No.1を誇るピラティススタジオです。スタジオ事業を中⼼に、アカデミー事業、ヘルスケアアプリの開発事業やクリニック・訪問看護事業など、⽇本のウェルビーイング創造のリーディングカンパニーとして展開しています。

ピラティス専⾨スタジオならではのリフォーマー、キャデラック、スパインコレクター・バレル・チェアなど、各種ピラティスマシンを完備。世界基準のインストラクター資格と豊富な経験を持つエデュケーターが、ピラティス・ヨガのプライベートからグループまで幅広いレッスンを提供しています。

ピラティスやヨガを通して、⾃分⾃⾝の内側と⾝体の微細な動きに意識を向けること、⼼⾝の司令塔である「脳」を活性化・正常化していくことで、⾝体本来の機能を取り戻せると考えています。

 

今回お話を伺ったのは・・・Yoko.M

BASI Comprehensive Instructor

18歳で音楽を学ぶため、CanadaのTorontoに単身渡り、現地のゴスペルクワイヤー(Univercity of Toronto Gospel Choir)に参加。Torontoで活動しながらNYに渡米し、現地のボイストレーナーから学び、黒人Gospelチームでも活動。多数のオーディションやオープンマイク、路上などでもパフォーマンスを行う。

帰国後、本格的にヨガの哲学を学ぶため、全米ヨガアライアンスRYT500を取得。フリーランスでYogaの指導と音楽を両立するも、音楽に従事する人の多くが不健康な状態にあることに疑問を持ち、どうすれば健康に音楽を続けられるのかを考え始め、もっと身体について知りたいと思った時にPilatesと出会い、basiに入社。

2020年に出産し、一児の母となる。妊娠・出産を経験する中で女性特有の身体の変化について興味を持ち、現在では産前産後、妊活中の方への指導を積極的に行い、人生のあらゆる変化に対応していけるような心と身体を目指し、日々学びを深めている。

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