2023/10/16 生理をもっとオープンに!相互理解を深めるメリットについてもご紹介

「生理」と聞いてどのようなイメージを持っていますか?「男性相手だとなんとなく話題にしづらい」「男性には関係ない」と思われがちですが、近年では生理に対する意識を変えようとする動きが高まっています。

今回は、生理がタブー視されてきた歴史や、男女問わず生理に対して理解を深めることのメリットなどについてご紹介します。生理と向き合っている女性だけでなく、男性の方もぜひ最後までご覧いただきたい内容です。

 

生理は男女問わず知っておくべきこと!

生理に対しては、長い間男性と女性で理解度に大きな差がありました。その背景には、学校で生理に関する授業が女子をメインに行われてきたことや、社会全体で生理に対して話しづらい風潮があることなどが関係しています。

しかし近年では、生理に対する社会の見方を変えようとする動きが高まっています。そのきっかけのひとつとなったのが、2019年に経済産業省が発表した報告書「健康経営における女性の健康の取り組みについて」です。報告書では、月経に伴う症状による労働損失は4,911億円、社会経済的負担が6,828億円にのぼるとのデータが示されました。

そこからさまざまな企業や団体で、「女性の健康問題」にアプローチする取り組みが増えています。男女問わず生理に対しての理解を深めることは、まさに社会全体の課題です。

 

生理がタブー視されてきた歴史とは

生理に対する理解が進まない背景には、歴史的に生理がタブー視されてきたことがあります。ここからは、生理がタブー視されてきた歴史についてご紹介します。

 

生理は世界でタブー視されてきた

歴史をさかのぼると、生理は長い間「タブー視」されてきたことがわかります。その理由の1つとなっているのが、「血穢(経血の穢れ)」に基づいた「月経不浄視」の考えです。世界に伝わる多くの宗教で、「女性は月経があるがために穢れた存在である」との考え方が伝えられています。

現在でも生理中の女性を小屋に隔離するなどの習慣が世界各地で見られるのです。日本でも、生理中の女性を隔離する習わしは平安時代ごろからあったといわれています。

生理への見方が変わった「ナプキン」の登場

そのような習慣は、日本では明治時代に法令で廃止されましたが、生理をタブー視する考え方は国民に根強く残っていました。そんな風潮が一気に変わったのは、生理用ナプキンが登場した1960年代です。

「月経は当たり前の生理現象であり、恥ずべきこと、忌むべきことではない」という方針のもと、日本初となる使い捨てナプキンを展開したアンネ社は、テレビやラジオ、新聞などで斬新な広告を打ち出しました。これにより、生理は「穢れ」「汚い」「恥ずかしい」というイメージが軽減されたといわれています。

とはいえ、生理に対しては「なんとなく話しづらい」「周りにナプキンを見せるのが恥ずかしい」といった考えが今でも強く残っています。生理へのタブー視を完全になくすためには、学校での教育や職場での生理休暇など、社会全体の取り組みや配慮が必要です。

生理への相互理解が深まることによるメリット

生理に対する男女の相互理解が深まれば、社会全体へのさまざまなメリットがあります。ここからは、生理への相互理解が深まることによるメリットについて一例を挙げてご紹介します。

 

女性が働きやすい職場環境を整えられる

女性がフルパフォーマンスを発揮できる日数は、ひと月の中でも少ないといわれています。職場で会議が長時間続けば、ムレや漏れが気になって仕事に集中できなくなる女性は少なくありません。また寒すぎる空調や立ちっぱなしの業務などによって、生理の症状がより悪化する恐れもあります。

このような女性の健康問題について理解が深まれば、職場での配慮が広がり、女性にとって働きやすい環境づくりが進むでしょう。女性を含む社員1人ひとりの仕事パフォーマンスが向上すれば、結果として企業全体の利益につながります。

「生理の貧困」の解決につながる

「生理の貧困」とは、経済的な理由で生理用品を購入できないという社会問題のことです。生理の貧困には経済的な問題だけでなく、その根底には社会全体の風潮や格差などさまざまな問題が関連しています。

生理は女性なら誰もが経験するものであり、衛生的に、そして快適に過ごすことは当たり前の権利です。生理への理解を深めることは、生理の貧困問題を解決し、女性がもつ当たり前の権利を守る一歩となるでしょう。

生理を理解し、女性が生きやすい社会をつくろう

今回は、生理がタブー視されてきた歴史や、男女問わず生理に対して理解を深めることのメリットなどについてご紹介しました。生理は多くの女性が毎月経験し、人によってはさまざまな体調不良を起こすものです。男女問わず生理への理解を深め、誰もが自分らしく生きやすい社会を目指しませんか。